2005年 05月 20日
脚立を買った。180センチほどの高さのもので9980円也。その大きさにしてはずいぶん高いんじゃないの?と脚立通の方は思うにちがいない。でもね、これはそんじょそこらの脚立じゃないの。「伸縮脚付はしご兼用脚立」なる代物で、それぞれの脚の長さが細かく調節できるというスペシャルな脚立。地面が多少でこぼこしていようが少し斜面になっていようがまっすぐ立てられるという、フィールドで高いところに登りたくなる場面のある僕のような人のために開発された脚立なのだ。脚立自体は前からほしいと思っていたところへ、イタヤハマキチョッキリが引き金となった。 というのも、僕のよく行くフィールドでイタヤハマキチョッキリはほとんど見かけない。カエデの種類によるのか、何か地理条件が見えていないのかわからないが、一昨日までその産地をわずか一カ所しか知らなかった。ここ数日イタヤハマキが活動期に入っていたので、そのエンコウカエデの脇に車を止め、その屋根からしばし観察していた。 昨日の帰り、その近くの神社にふと寄ってみると、オオモミジとおぼしきカエデにイタヤハマキチョッキリらしき姿をいくつか見つけた。それらしき揺藍も見える。しかしいかんせんここも手の届かぬ高いところだ。過去に車が入った形跡はあれど境内にまで乗り入れるのはさすがにためらわれた。だから昨日は下から見上げるにとどめ、朝広告で見た件の脚立のことを思い出し、さっそくホームセンターに走ったというわけ。 今日はピカピカの脚立かついで件の神社へ。何カ所かで揺藍作成中で、それらは近くから見てすぐにイタヤハマキだと確認することができた。同じカエデの木にはファウストハマキチョッキリも混じっていて、体つきの小さなイタヤハマキは色合いが似ているだけにまぎらわしい。ただしファウストの揺藍がとても細い葉巻といったものであるのに対して、イタヤもものは太さ2.5センチ長さ8センチなんていうボテッとしたものになっているから、揺藍つきなら見間違えようがない。イタヤハマキの揺藍は、たとえば昨年調べたある揺藍は、実に39枚の葉を巻きつけることで成り立っていた。だから揺藍一つつくるにもオトシブミたちに比べ格段に時間がかかる。最初から最後まで計測したことはないが、一日以上はかかると思われる。 それにしても、とくに高いところが好きではないが、それでもたった1メートル少し視線が上がっただけでえらく気分がいい。何より下から見上げるだけだったイタヤハマキを横から上から見ることができてしまうところがいい。木を住処とする小さな生きものたちとつき合うためのグッズとしての脚立、もっと脚光をあびてもいいかも……。いつも持って歩くとはとうていいかないが、イザというときに頼りになります。
by narwhal2
| 2005-05-20 14:28
| コウチュウ目
|
ファン申請 |
||