2005年 01月 05日
年末そうじの際、思いつき的に本を少し処分した。一般書ばかり段ボール2,3箱、100冊くらいだろうか。持っていったのは近くの古本チェーン店。こういう本をそういう店で引き取ってもらってもわずかな金額にしかならない。まあそれはわかっていたことではあったし、代金は査定を待っている間に見つけた数冊の本に結局化けた。その中の一つ、BIRDERという鳥雑誌のバックナンバー1994年9月号、値段105円の格安。モズ特集とあったので「ほおー」と手にとりめくったら、小川巌さんという方が「モズの食生活からはやにえを推理する」と題してタイムリーにもはやにえについて書いておられたので買ったのだった。
小川さんはその中で、モズがはやにえとするエモノのメニューと、モズがはきだすペリットに含まれるエモノのメニュー、について調査した結果について書いている。それによると、はやにえの方のメニューは、多い順にトノサマバッタ、エンマコオロギ、ガの幼虫、カエル、その他、と直翅類が上位を占めた。ところがペリット分析からわかるメニューは、ゴミムシ、マグソコガネ、スズメバチ、ケラ、ヨモギムシ、トノサマバッタ、その他、とはやにえとは大きく異なっていたという。 ここから小川さんは考察する。モズは本来地上徘徊性のゴミムシやクモを捕食するべく進化した鳥なのであって、通常はそれらをとらえて食べている。それらが不足する時期(秋ということか?)になると、バッタやコオロギなどの直翅類で補うが、それが余ったり気に入らないときはやにえにする。だからゴミムシなどではなくバッタ類がはやにえに多いのだろう、と。 ゴミムシやクモがモズの基本食になっているということ自体初めて知ったのだけれど、たしかにこれらがはやにえになっているのを見た記憶はない。バッタやイナゴの方がうまいんじゃないのと思いたくなるが、小川さんはその点を飼育実験でたしかめているらしく、モズの好みはむしろ逆らしい。小川さんの推察でいくと、つまりはやにえというのは、モズが「好きではないもの、余ったものは後回しにしとこ」的に刺しておいたものたち、ということになる。 冬半ばの今頃はやにえを見て回っていると、そうやって後回しにされたエモノたちも、結局はエサとして使われているのかな、と思えてくる。それをモズが食べている場面を直接観察しているわけではないのでこれも憶測だけれど。ただここのところはやにえがとても少ないのは確かだ。秋にはやにえとして確認しているのに今そこにいくとはやにえは消えている。今日も午後に心当たりの川沿い、ウメ林を一時間ほども見て回ったのだけれど、干からびたガらしき幼虫のはやにえをただ一つ見つけたにとどまった。 イナゴの仲間 クルマバッタモドキ 種類不明の幼虫 ガらしき幼虫 アマガエル 種類不明の小魚 ここのところ目にしたはやにえメニューより
by narwhal2
| 2005-01-05 20:15
| 鳥類
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