2005年 07月 13日
先日の大田切でのヒメクチキムシタケ発見以来、外歩き時の探索眼に冬虫夏草色が濃くなってきている。その発生によさそうなところが目につかないものだから、このあたりには冬虫夏草が少ないのではないかというイメージがあったのだけれど、よく通うフィールドで少ないながらもその存在を見たことで、もう少し見つかるのではないかという具合になってきている。
そういうつもりになるということがけっこう大事らしい。いくつか心当たりをまわってみたところ、そのうちの一カ所で今日も冬虫夏草を見つけることができた。 小澤の段丘斜面。やや薄暗い北向きの面だ。実はこの林床では昨年9/28にハナサナギタケを3本見つけているが、そのときに虫カビに冒されたカメムシを2匹見ていて、カメムシタケの発生があってもよさそうに思えたのだ。で、今日調べたところ、予想通りカメムシタケが3本見つかった。とても坪(その世界では、毎年集中して発生する場所のことをそう呼んでいる)とは呼べぬ出方であるし、カメムシタケそのものも昨年横川の沢沿いで見ているからご当地初ではないが、それでも日頃守備範囲にしているフィールドから見つかったのはやはりうれしい。 先日、沖縄の盛口氏と電話で話をしていたときにこのカメムシタケのことが話題になった。何カメムシが寄主になっているか知りたいということだった。カメムシタケはいろんなカメムシにとりつくが、場所によってバリエーションがあるらしい。 今日見つけたカメムシタケの寄主は、ツノアオカメムシが2、エゾツノカメムシ(一部破損していてやや不確定)が1だった。ちなみに昨年9/22に横川で見つけたカメムシタケとエダウチカメムシタケの寄主は、いずれもセアカツノカメムシと見えるものだった。 この小澤の斜面林だけでも多種のカメムシが生息している。そのうちカメムシタケのとりつく種類に傾向が見えてきたらたしかにおもしろそうだ。よくとりつかれる種類ととりつかれない種類の違いから、カメムシタケのとりつくからくりなんてことにつながっていくかもしれない。
by narwhal2
| 2005-07-13 21:11
| 菌類
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