2005年 10月 11日
ここのところ家でやることがいろいろとあって、まとまった時間フィールドに出ることが少ない日がつづいている。気温が下がったり雨が降ったりで秋は進行している。ぼんやりしていてはいかん。近しい生きものたちはその間にもどんどん表舞台から退場しつつある。そうやって何シーズンも見過ごしているものたちがいるじゃないの。
で、近所を二まわりしてみる。昼と夕方二回まわったので二まわりだ。結局足をとめたのは、我が家の入っている集合住宅フェンスにからんだガガイモ周り。ガガイモといえば、もう少し秋深くなったころに風に舞う綿毛のタネとしてその存在感をアピールするつる植物だけれど、それにとりつく虫たちもなかなかおもしろそうだ。 まずこの植物に目がいったのは、オレンジ色の鮮やかなアブラムシが群れていたからだ。キョウチクトウアブラムシ。その名のようにキョウチクトウについているが、それが夏以降ガガイモにうつる、なんてことが手持ちの図鑑にも書いてある。 ガガイモというと傷ついたところに出てくる乳白の汁があって、それは毒を思わせるのだけれど、はたしてホントに毒なんだろうか。キョウチクトウアブラムシはその汁をズーッと一生吸っているわけであって、その場合どうなっているのだろうか。 キョウチクトウアブラムシの近くにはクサカゲロウが静かにとまっていた。ヨツボシクサカゲロウという種類のようだ。そのすぐそばの葉裏にはウドンゲの華としてしられる卵がいくつも産みつけられている。そういえば昨秋、この近くのクリの木でクリオオアブラムシをつぎつぎにつかまえるクサカゲロウの幼虫を見たのだけれど、それもヨツボシだったのだろうか。アブラムシでありたくさんいれば種類は選ばないような気がするのだけれど……。このクサカゲロウ卵はどの段階までいって越冬するのだろうか。今から蛹までいけるのかしら? もっとも?だったのは、そのガガイモフェンスにぶらさがる一枚の枯葉(これがガガイモのものかどうかは?)にビッシリと産みつけられた卵塊。白色のいかにもガの卵ではあるのだが、正体がやはりわからない。素直に考えれば、卵のまま越冬し翌年のガガイモ若葉を食べるそういうガということになるのだが……。 「みんなで作る日本産蛾類図鑑」で調べさせていただいた(「食草ガガイモをキーに検索」などという出版物にはマネできない優れものの図鑑サイトなのです。ときどき利用させていただいています)ところ、掲載されているガガイモを食草とするガはツトガ科のシロマダラノメイガ、ツバメガ科のギンツバメ、シャクガ科のチズモンアオシャクの三種だった。この中のどれかか、それとも違うガなのか……? 結局のところ?マークが浮かんでばかりだったが、夕方に歩いたときは、キョウチクトウアブラムシの群れの中に入り込んで一匹ずつとらえているアブの仲間らしき幼虫(これも種類はハテナ)などもおり、ガガイモの周辺はどうやらこの季節の観察ホットスポットといえるかもしれない。
by narwhal2
| 2005-10-11 21:03
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