2005年 11月 10日
火山を歩く。雲のない青空。やや風はあるものの明るく暖かい日差し。そして麓にもカエデの仲間やその他気の早いところから紅葉する木々などあらわれはじめ、秋という感じになってきた。
今日もアリジゴクなど気にしながら歩く。河原以外の環境、神社も雑木林周りも含めて、スリバチ巣をつくるアリジゴクは2種類と考えていいようだ。ウスバとコウスバ。そしてこの2種は日当たり条件によってきっぱりとすみ分けている。ウスバは日陰に、コウスバは日なたに。林道脇の赤土とか、根上がりした木のふもととか、巣を見つけては手当たり次第にすくってはそのことをたしかめる。 それ以外で目にとまったのが、コナラ葉上に張りつくようにその身をさらしていた体長1.2センチの平べったい幼虫。ここで僕はすっかりこれがカギバガの仲間だと思いこんでしまう。先日埼玉に出かけたときに同じシチュエーションで見たヤマトカギバ幼虫のイメージが強く残っており、しかもちょうど昨日、沖縄の盛口氏と「カギバガの幼虫っておもしろいよね」てなことを話したばかりで、こんな変てこなのはカギバガに違いないと回路がつながってしまったのだろう。 図鑑をめくるが該当するものがいない。そりゃそうだ。これは変だと気づいたのが、アップの撮影をしていてようやく、だったから情けない。体の細長い方が頭側と気がついてそこを狙っていたら、体の前半身が持ち上がって、引っ込めていたらしい先細りの頭部が「ぬぬぬー」とばかりに伸びてきてあたりを探ったのだ。口も変。 もしかして、と最近大活躍の「日本産幼虫図鑑」(学研)を開けば、やはりハナアブの仲間にこういう幼虫がいたのだった。掲載種ではフタスジヒラタアブという小枝に巻き張りついた姿勢でアブラムシやらを捕食する幼虫に似ている気がしたが、ハエワールドの広大さを少しは聞きかじっているので、ここは謙虚にハナアブの仲間くらいで満足しておくことにする。そういえばこの手の幼虫が、ガガイモについたキョウチクトウアブラムシの群れの中にもいたな、と後になってから思い出した。思いこみというのはなかなか恐ろしい。
by narwhal2
| 2005-11-10 15:01
| ハエ目
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