2005年 11月 22日
昨日、大田切の林でトビイロケアリ巣で見つけたアリノスアブ幼虫。この巣からは計三匹の幼虫が見つかったが、いずれも長径がほぼ10ミリという大きさ。おそらくこれで終齢幼虫なのだろう。
それにしても、キンアリノスアブ蛹を初めて見たときもそう思ったのだけれど、これは何とも変てこな形の幼虫だ。いや、事前の知識がなければおそらく昆虫の幼虫であるとは見えないにちがいない。アミアミ模様の描かれたやや細長い半球体。これも何?と首を傾げたくなるような小さな突起。裏返してみてもパッと見た目に足やら顔やらは見あたらない。そっと指でつまんでみると、ほどほどに弾力性があって、そう、それはちょうどあのグミというお菓子の感触に近いともいえそうだ。 で、この半球グミ幼虫はちゃんと移動する。速度はそれほどではないが、気がつくと位置が変わっているというくらいには動く。ジッと見ていると、縁を少し浮かし気味にして、にじるように動く。移動中に前から見ていると、おそらく普段は埋もれているのだろう、口のような器官がときおり体の下からのびて何やら探っているような気配を見せる。 アリの巣では何を食べているのだろうか。「日本産幼虫図鑑」(学研)には「アリの幼虫や蛹を食べている可能性が考えられるが、まだ観察例はない」とある。アリノスアブ幼虫は寄主であるアリと比べかなり大きな体だ。アリから何かおこぼれもらうというよりも、こんなおとなしそうななりして、やっぱりアリもしくはその幼虫、蛹をつかまえてるというのもうなずける気がする。移動中にときおり見える口器はたしかにいかにも吸血しそうな代物だ。
by narwhal2
| 2005-11-22 20:16
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