2006年 03月 07日
室内でのあれこれで午前中が終わってしまう。外は晴れて気温も上がっているようだ。たまらずフィールドへ出る。東伊那の河川敷沿いに広がる田んぼ地帯。風はあるが暖かい。しばらく歩いているとジャケットなど暑くて着ていられなくなる。こういう日は春の気配を聞きたくなる。
段丘斜面際のアゼから越冬明けキタテハが飛び立つ。今年の初見。いやしばらく前にチョウの姿を見てはいたが、車からだったので種類まではわかっていなかった。さらに行くと、今度は石の上にクジャクチョウがとまっている。うーん、このくらいまで暖かくなるとさすがに成虫越冬のチョウたちは活動開始。いつもながら彼らの姿を見ると春の気配ただよう。足下にはオオイヌノフグリやらヒメオドリコソウが花をつけ始めていて、ミツバチやアブの仲間やナナホシテントウの姿もちらほら。そこの部分だけ見ているとやはり季節は早送りしたように春。 さらにルリタテハ(画像上)。暖かな日差しの下で見るとそのブルーが目にまぶしい。ん?ここのが出ているということは……。 そこで今日の終わり際、十二天の森に立ち寄る。この冬何度かチェックしてきた例の越冬ルリタテハが気になったのだ。ここのはもういなくなっただろうか。件のコナラ枯木にたどり着くと、何のことはない、まだ同じような位置にルリタテハは越冬継続中。ヒノキまじりのやや暗い林内は、外ほど気温が上がらないのだろう。たしかにここらへんは空気がまだひんやりとしている。 ただし体の向きは変わっている。1/13と2/6に見に来たときは、いずれも体が上で翅が下になるような姿勢で幹に寄り添っていたのだが、今日は体が下で翅が上と逆。少なくとも少しは動いたようだった。 しばらく撮影していて、ポーズが変わってきたのに気がついた。幹に寄り添っていた翅が少しずつ起きてきている(画像下)。アップでのぞくと、体が震えるように小さく振動していることにも気がついた。 と、いきなりルリタテハが飛び立った。アッと思ったときにはすでに遅し。その姿が見えないほどに飛び去った。あっけない越冬明け。前回まではどれほど近づいてもピクリともしなかったのだが、さすがにもういつでも活動開始OK状態だったらしい。そして僕の目の前には、やや傾いた背丈ほどのコナラの枯木だけが残った。 →ルリタテハ
by narwhal2
| 2006-03-07 19:59
| チョウ目
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