2005年 01月 21日
昨日、沖縄の盛口氏と電話で話していてモズのはやにえの話題になった。
「ヤッさん、そっちだとどういうのがはやにえになってるの?」 「秋だとバッタが多いよ。トノサマバッタとか……」 「あー、いいなあ。トノサマバッタのはやにえってあこがれなんだよな」 「埼玉ではやにえ見てたときは何が多かった?」 「カメムシとかだね」 そんなはやにえ通話をしてモズが見たくなったので、帰り際に河川敷に寄ってみた。そこは開けた田んぼ地帯でその中にウメやカキの果樹林が点在しており、以前立ち寄ったときにモズを頻繁に見かけ、モズを観察するとしたらここがよかろうと目星をつけていたところだ。 車で走りつつ姿を探すが見つからない。あきらめて帰ろうとしたら、土手の道脇の杭からモズが飛び立つのが見えた。その杭を見ると、ちゃんと周りに彼のものらしきフンが散らばる。ははあ、こういうけっこう低い棒の先が好みなのねとよく見れば、枯れ草の中に動物のフンのような物体も落ちている。ペリットだ。少し前に読んだモズのペリットとはやにえのメニュー比較の文献を思い出す。ところがペリットを持って帰ろうと指でつまむとそれはハラハラとあっけなく崩れ、枯れ草の中に潜り込んでいってしまった。でもこの調子なら他に見つけられそうだ。 まずはモズの様子を少し観察してみることにした。彼は土手の杭を追い出され、クルミの低木、ウメの枝と移動し、ついで田んぼ脇に立っている低い竹杭にとまった。しばらく見ているとそこから田んぼにサッと降りたって何かをついばみ、低く飛んで田んぼ脇の別の竹杭へ。やはりこういう低い棒の先が狩り場として好みのようだ。周りを見るとこの田んぼにはこの手の高さ数十センチの杭があちこちに立てられている。モズはその後もこの竹杭を移動しつつそこここで狩りをつづけた。何モノをとらえているのかはとても見極められない。しかし竹杭からの降り立ちはかなり頻繁で数分に一回といったところだった。今の時期そんなにエモノになる昆虫が動いてるものなんだろうか。 少しして竹杭を見て回る。案の定、どこもフンが落ちていて、いくつかのペリットを拾うこともできた。ペリットは太さが8〜10ミリくらい、長さ16〜26ミリといった大きさ。ほとんどのペリットは全体に黒っぽい。一つだけ白っぽく見えるペリットもあったが、それには小さな小動物の骨が含まれているようだった。 持ち帰ったペリットをほぐしてみる。黒っぽく見えたものからはゴミムシの仲間のものらしい体の各部がたくさん出てきた。種類はどれも調べられず。白っぽく見えたペリットからは小型の鳥の足先ほぼ一本分にあたる骨が出てきた。こちらもさすがに種類はわからない。でもモズが他の鳥を食べることがあるのはたしかなようだ。わからないことはまだたくさんあれど、モズという鳥、やっぱりなかなかおもしろい。
by narwhal2
| 2005-01-21 16:58
| 鳥類
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