2006年 10月 04日
こういうイモムシにはほとんど説明がいらないような気がする。見ていただければその存在感は伝わるのではないだろうか。 大田切の林、空き地に茂るヨモギの花にとまっていたこのイモムシ、飼育して羽化まで待たねば確定できないが、ほぼハイイロセダカモクメ幼虫であろう。 思えば、僕にとっては高価な「日本産幼虫図鑑」(学研)をしばし迷った末に買い求め、そのページをパラパラとめくったとき、この幼虫の写真に思わず目がとまったのであった。おお、こんなスバラシイイモムシがいたのに僕は見たことがなかったのか……。全国分布だし、ヨモギだってそこらじゅうにある。さっそく”コレを見ずして今年は終われんぞリスト”に、「秋、ヨモギ花、ハイイロセダカモクメ幼虫」を書き加えたのであった。 そして秋。9月ころからヨモギを見かけては、パラパラとした花穂にその姿を気にしてチェックすることを心がけた。が、相手は名人クラスの擬態者である。なかなか見つからないまま早10月。このあたりにはいないのだろうか、などと弱気になり始めた今日にしてようやくお目にかかった。パッとそのボディが目に入ったのはイメージトレーニングの効果か。いやしかし、ザックから機材を出したりするために少しばかり目を離すたびにその姿を見失ってしまったのだから、やはり擬態効果はかなりあると見る。周辺を探ってみたが2匹目が見つからなかったことからして、まとめて産卵するようなタイプではないのかもしれない。今のところこまめにヨモギ群落を気にして見ていくことくらいしか思いつかずちっともコツがつかめてないので、2匹目に出会えるのはいつになることやら。 それにしても、ジックリ見ていて飽きないイモムシだ。イモムシ一匹で、人はしあわせになることができるのである。
by narwhal2
| 2006-10-04 20:02
| チョウ目
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