2006年 12月 24日
冬型っぽい気圧配置になると聞いていたが、昼間は風もなくおだやかで、日だまりでゆっくり探しものをするのにいい日。手良のあたりを歩く。 谷の奥近いところに小さなお寺が一つ。お寺や神社というのはいい観察スポットである。それが林に隣接していたりするとなおいい。境内のカラタチでクロアゲハ蛹など見つけ、入り口に戻ってくると石段横に手水場。 その中に入って見上げると、まずアブラゼミ羽化殻がいくつもオーバーハングしてついているのが目についた。計7コ。本来、きれいなぬけがらを手に入れようと思ったらそれは冬ではなくその虫が羽化する季節に見つけなければならない。アブラゼミのはもっともポピュラーといってもいいぬけがらだけれど、冬にもかかわらずこういうところに残っているのは保存状態がよく触角の節などもかけておらずちょっとうれしい。いくつか持ち帰ることにする。 アブラゼミぬけがらに手を伸ばしていて他にもこの手水場の軒下にはさまざまなものがぶら下がっていることに気がついた。ヒオドシチョウのものと思われる羽化殻、15コ。クスサンのマユ1。マツカレハのものらしきマユ2。マイマイガ卵塊2。クモの仲間卵のう2。クロツヤミノガと思われるミノ(一つはここの雨樋の塗装膜を材料にしたらしく赤いミノというレアもの)2。ムモンホソアシナガバチ古巣1。キアシナガバチ古巣1。それにキイロスズメバチのものと思われる巣の付着跡が3カ所。狭いスペースにもかかわらず虫モノがえらく充実している。拾いモノファンとしてはありがたいスポットである。 こういったところに虫たちが集まるのは、屋根のような構造物が自然界には意外に少ないということ?木の幹や枝の下、オーバーハングした岩の下、洞穴の天井……くらい?しかし葉の繁る季節なら、木の下はみな屋根の下的環境のような気がするのだけれど……。一滴の水もしたたることもなく、それでいて風通しはよくて自由に出入りがきき、捕食者の目も届きにくいなどという点で考えれば、人間のこしらえた手水場はたしかに快適な環境なのだろうねえ。
by narwhal2
| 2006-12-24 18:22
| 拾いモノ
|
ファン申請 |
||