2007年 05月 07日
マメコバチってごぞじだろうか。果樹の受粉用に飼育されているハナバチなのだが、同じ用途のミツバチはよく知られているわりにマメコバチの方はそれほどでもないように思う。かくいう僕もちゃんと見たのは昨年のこと。 今日、部奈のリンゴ畑を通りかかったら持ち主のオジさんが作業中だったので、断ってから見させていただいた。昨年よりも通いのハチが少なくなっている。 「ダニにやられちゃってあんまりいないだろ?。最近はマメコバチやってる人も少なくなって、ミツバチでやってる人の方が多いな。ミツバチは蜜を集めるけど、マメコバチは花粉を集める……」 帰ってくるハチは腹部に備わった毛にたっぷりと花粉をつけて筒に潜り込むが、そのときは頭から入っていき、少しすると一度出てUターンしてお尻から再び入っていく。最初に蜜を吐き戻し後半に花粉をかき落としているのだろうだろうか。 マメコバチはミツバチと違ってこの果樹の花期ころの短期にしか活動しない。後は来春まで筒の中だ。このあたりが果樹農家のサイクルとマッチしていて面白いと思う。 「土取リしているところも見るか?」 彼らはハキリバチの仲間なのであって、用意されたヨシ茎の筒の中を部屋に区切り、花粉を集めて花粉ダンゴをたくわえ産卵していく。ハキリバチの仲間だが、その区切りには葉ではなく泥を使う。案内していただいたのは畑の反対側にある2mくらいの湿った土の崖。ハチが行き来している。表面の土ではなくできるだけ内部の泥っぽいところが好みらしく、そういうところは度重なる採掘によって横穴と化している。 「ジャコウアゲハの蛹、見るか?」 土取り現場まで見せていただき恐縮だったのに、さらに家のまわりで蛹化しているジャコウアゲハをガイド、さらにさらに「上がって茶でも飲んでいけ」となる。 「他にはどんな虫を撮ってる?」 「何でも撮ってますけど、今はオトシブミとかです」 「おお、オトシブミ、知ってるよ。リンゴの葉を巻いてるな。モモゾウムシとかいうのが」 「リンゴの葉を巻いてるのはアカクビナガオトシブミっていう種類なんです。モモチョッキリの方は枝を折って実に産卵します」 「へえ、あれは違う種類なのか。今は薬使うから少なくなったけど、以前は子どもに一匹5円とかってとらせてたくらいだった」 「子ども農薬、いいですね」 「しかしあれだな、そのオトシブミにしてもジャコウアゲハにしても、どうしてここにそれがあるってわかるんかね」 ……と、くらしの中でかかわってきている虫たちの話はやはり面白くて、ついつい長居してしまうのであった。
by narwhal2
| 2007-05-07 20:31
| ハチ目
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