2007年 05月 26日
えらく小さくて地味だが、僕にとってはちょっと大きな前進。
ヒゲナガガはミクロレピであってマイナーな位置を占めているガだけれど、初夏にヒョヒョヒョヒョと低く飛ぶクロハネシロヒゲナガオスの姿はそれなりになじみがあるのではないだろうか。しかしさすがにマイナーな分類群なだけに、その生態、とくにホストや幼虫の生活についてわかっている種類の方が少ない。 クロハネシロヒゲナガに関しては、産卵される植物についてはオオスズメノカタビラやネズミムギであることがヒロワタリさんたちにより解明されていて、今シーズンようやく産卵シーンに出会えたということは前回書いた通り。 で、その続報。 クロハネシロヒゲナガメスが産卵したスズメノカタビラ様(相変わらず種類識別してない……)イネ科草本の茎を、半ば期待せずにケースで保存していたのだが、今日、ケースの底と茎に何やら小さなブツが出現していた。 それは直径1mm弱、長さ1.5-2.5mmほどをした、薄い黄緑色の細かな粒の集まった円筒形。この姿にピンッと来て拡大してみれば、おお、これが初めて見るクロハネシロヒゲナガ若齢幼虫!彼等は卵からふ化し茎の内部を食べ、お外の世界に出てきたわけである。ポータブルケース入りで。 そう、彼等はこの先、ポータブルケースとともに生きていくはず。今のところの材料は、植物の組織を噛み砕いたものか、あるいは食べたあとのフンだろうか。いずれにしろケースは筒状になっているもようで、見ていると前からも後(どっちがどっちかは?だが)からも顔をのぞかせる。前に頭胸部を乗り出しては茎を移動し(画像上)、後ろに身を乗り出してはこのモロモロッとした素材でケースを延長している(画像下)。出てくる顔はいかにもヒゲナガガ幼虫っぽい。 すでに何匹かが底にいることでも推測できるように、彼らはこれからポータブルケースとともに地上で暮らしていくことになるはずだ(あくまでもはず、ね)。食べ物は枯れ葉などだろう。 もっともこの先の飼育はさらに未知なのであって、育ってくれるかはかなり不安なのだけれど。順調に行けば、また後に記事で紹介できるはず……。 →クロハネシロヒゲナガ(その3)
by narwhal2
| 2007-05-26 20:26
| チョウ目
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