2007年 08月 10日
沖縄からスゴイやつがやってきた。直翅屋たるスギモトくんが「どうぞ」と送ってくれたのである。感謝、感謝だ。
こういう寄生生活者ネタは「ヤァーン、気色ょーい」という方もおられるとは思うのだが、でもやっぱり紹介してしまおう。 ただのタイワンクツワムシ(画像上)じゃないかって?たしかに、タイワンクツワムシは初めて見たし、「デカッ」とは思いました。 チッチッチッ……でもそれだけじゃスゴクないのです。 このタイワンクツワムシの右下脇腹をよく見ると、径1.5mmくらいの丸くて黒いものがついている(画像中)。僕も最初、どこについてんだろう、としばしわからなかったくらいにポツンとしている。これがクツワムシネジレバネ♀の頭部なのです。 ネジレバネといえば、これまでスズメバチネジレバネで遭遇し、今年に入ってからはナカセさんからナガカメネジレバネを送っていただき(ズボラな私には、残念ながら羽化まで育てあげることができなかった。ナカセさん、すいません)、今回のクツワムシネジレバネで3種目となる。これまで見た2種は宿主の体節間から頭部をのぞかせるというスタイルだったのだが、このクツワムシネジレバネの場合、どうもそういう節の間とかでなくて、お腹の皮膚にズバリ穴をあけて出てきたといった風情だ。この辺からして、かなり堂々としたネジレバネである。 さらに、このネジレバネメス頭部を拡大撮影していてようやく気がついたのだが、今まさに幼虫が誕生しているそういう段階なのだった。はじめてみるネジレバネの幼虫だ。といっても小さすぎて形もよrくわからん……。 ネジレバネメスの体内につまっているたくさんの卵は、体内でふ化して幼虫の姿となって開口部から出て宿主の体表にあらわれる……文章でのみ知っていたシーンだ。そうわかってからあらためて見れば、周囲の皮膚のへこみに点々と見える黒い小さな点々(肉眼では見えない大きさだ)は、みな、すでに脱出していきた幼虫たちなのだった。ネジレバネのメスはおそらく万単位の卵を抱えているわけで、幼虫の出現はさらにつづくと思われる。 こんな事態になっているにもかかわらず、宿主タイワンクツワムシはちゃんと(とはいえないかもしれないが)生きている。ネジレバネは純に寄生者である。 小さなものがたくさん群れている光景は、見ようによっては気色悪いのかもしれない。たとえば自分の腕にこの幼虫がビッシリついていることを想像すると、たしかに腕を振り払いたくなる。しかし、そういうことを思うよりも前に、この姿を見ていると、まず「これはスゴい生きものだ……」と、僕はひたすら感心してしまうのです。 →ネジレバネ!(その5)
by narwhal2
| 2007-08-10 20:43
| その他の虫
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