2005年 05月 19日
この時期は、クリ林が自然観察のホットスポットの一つであるように思う。
赤木のクリ林では先日同様、今日もたった今穴をうがって出てきたばかりという状態のシロスジカミキリが5匹も見つかったし、その幼虫に産卵する機会をうかがうべくウマノオバチもときおり飛来していた。オトシブミ関連では、コナライクビチョッキリ、ミヤマイクビチョッキリが揺藍を丸め、ゴマダラオトシブミはあちこちで葉を巻き、つくられた揺藍にはオオメイクビチョッキリがウロウロし、そして真打ちのナミオトシブミも活動がだいぶ見られるようになってきた。 そういうわけで横山のあたりを歩けば、足を長くとめるのはやはりクリ林だった。ゴマダラオトシブミが何カ所かで揺藍つくりの最中だったのだ。それにつきあっているうちに、クリ林の中を数匹のウスバシロチョウが飛ぶ姿が目に入った。低く飛んでは草の間に降り、地面をフラフラといった感じで歩いている。明るい林縁を飛んでいるオスとは明らかに異なるメスの動き。どうやら産卵行動のようだ。なるほど林床にはあちこちムラサキケマンが生えている。この時期におなじみではあっても、どちらかというとながめているだけでシーズン終了となるチョウだったので、せっかくだから少し追ってみることにした。 ウスバシロのメスはいかにも少しお腹が重たそうで、そのお腹を半ば曲げつつ歩き、産卵場所を探っている。ちょっとした枯れ枝、枯葉の裏などがねらいらしく、そんなポイントにときどきお尻をさしこみつつ歩いていく。そうして産卵自体はあっけないほどすぐに見ることができたが、下草がおい茂っているためになかなかすっきりした画像にはならずじまい。 それでもメスが尾部を差し入れていたポイントをさがしてみれば、直径1.3ミリほどのまんじゅう型の卵がつぎつぎに見つかった。遅まきながら家に帰ってから気がついたのだが、ウスバシロチョウの卵はしばらくふ化することはない。来春までの間を卵のままで過ごすことになる。食草そのものではなく、このエリア内ならまあいっかといった感じで、あちこちかなりラフに産みつけるといった印象は、そういうところからなのかもしれない。
by narwhal2
| 2005-05-19 22:08
| チョウ目
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