2005年 06月 13日
この時期に河川敷を歩いていると、足下の枯れた草の茎にキバネツノトンボの卵塊が目立つ。卵はややオレンジがかった肌色といった淡い色彩だが、それが数十個といった単位でまとめて直立した草の茎や枯れ枝に産みつけてあるからそれなりに目立つ存在だ。
卵はただかためて産んであるというよりも、たいていはむしろ非常に几帳面に並べられている。茎がまっすぐだったりすると、まるであらかじめ計りでもしたようにきれいに二列に縦列させてある。埼玉時代には見たこともなかったけれど、こちらの河川敷にキバネツノトンボはかなり飛び回っている普通の虫。卵の整列ぶりはいかにしてつくられるものなのか一度見てみたいと思っていたのだけれど、今日の午前中にようやくその場面にいきあたった。 中平の河川敷。梅雨入りの発表があったばかりだけれど快晴。太陽光線はきわめて強く、砂地の反射がとてもまぶしい。そんな中、コガタスズメバチの創設巣の進行具合やら、コハナバチのコロニーの様子やらをうかがいつつ歩く。と、農道脇のイネ科の茎にキバネツノトンボ。お尻の先には例の縦列卵も見える。やはりきれいに二列に並んでいる。そしてまだ産卵中のよう。そっと近づいて様子をみる。 まず「あれ?」と思ったのは親の位置。縦列卵の付着する面とは反対側にとまっているのだ。これでどうやって卵を反対側に並べていくのだろう。 お尻はと見ると、それはクイッと手前側から回り込むようにして縦列卵の側に伸びていき、手前側の卵列先頭に一つ産みつける。つづいてお尻は一度元に戻り、今度は向こう側から回り込むようにして、向こう側の卵列先頭に卵を一つ。なるほど。手前側、向こう側と交互にお尻を回して並べていくので縦二列になるのだね……。 そういえばサシガメなどの中にもこんな風に卵を縦列させるものがいたけれど、彼らの産卵スタイルはどんなものなのだろう。
by narwhal2
| 2005-06-13 18:10
| アミメカゲロウ目
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