2005年 01月 15日
朝から雪が降る。早々に止んだが凍りつくのは避けたかったので駐車場周辺の雪かきをしておく。加えて子供が最近はやっているというウィルス性の胃腸炎らしく医者まで連れていったり看病したりで、フィールド歩きをする日ではなかった。 いくつか集めておいたアゲハ類の越冬蛹を撮影して過ごす。素性わからないままだった蛹を調べようと思ったのだ。手持ちの越冬蛹で素性のわかっているのはナミアゲハとキアゲハ。種類不明の蛹があと二つ。 似たような形態の蛹のちがいをわかりやすく比較している本というのはなかなかなくて判断に迷う。「原色日本蝶類生態図鑑」(保育社)はそれぞれの蛹の写真をのせているのだが、その角度がまちまちだったり大きさが記されていなかったり、いくつかの種類で蛹の線画がのっているだけという半端さ。もっともアゲハに少しなじんで来た人にとってはそんなこと一目見てすぐわかるものなのだろうけれど……。手持ちのものでは子供向けの大島進一「ちょう」(福音館書店)という絵本が、卵、幼虫、蛹、成虫のそれぞれの段階で並べている。欲をいえば、いろんな方向からの絵ものせててくれたら判定しやすいのだけれど。 調べたかった蛹は先日横山のカラタチから見つかった二種類のアゲハ蛹。一つは体長28ミリのほっそりしたタイプ。頭部の角状突起が長く、クロアゲハかオナガアゲハだろう。 もう一つは体長41.5ミリある大きな蛹。手持ちのナミアゲハ蛹が24.5ミリだからえらく大きな蛹だ。これもいくつかの本にのった図や写真と見比べるも判断つかず。「原色日本蝶類生態図鑑」(保育社)に出ていた図に似てることからモンキアゲハが候補。しかしモンキのものは体がもっとグッと反っているのが特徴らしくそこがちと変にも思える。えらく大きいということでモンキじゃないかと思うのだが……。 この蛹がモンキかどうかはまだ保留だが、モンキアゲハというチョウは伊那谷にとってちょっと気になる存在。ここが分布の北はずれにあたるからだ。「原色日本蝶類生態図鑑」(保育社)では「長野県では下伊那郡のみに定着しているが……」とある。その北に位置する上伊那での記録はどうなのか。辰野町蝶類談話会編「辰野の蝶」という本をひもとくと、モンキアゲハはときどき成虫の偶産するけれど、幼虫はまだ確認されていない、という。辰野町は上伊那郡の中でももっとも北にある町だ。この蛹がもしモンキであるならば、その定着具合が上伊那まで広がるさきがけなのだろうか。
by narwhal2
| 2005-01-15 18:23
| チョウ目
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