2006年 01月 24日
部奈の林を歩いていたら一本のヒノキ。少し太くなってきたスギやヒノキは、その樹皮の一部が浮いたりめくれ返っていることが多い。これ、気になりませんか。僕は浮き気味な樹皮を見ると、治りかけのカサブタを連想してしまう。痛いかもしれないのに、それでもなぜかちょっと皮をはがしてみたくなる。ヒノキの皮は繊維が長く走っていて、ちょっとめくるつもりがビビビッとビックリするくらい長くむけてしまったりして、ちょうど治りきってないかさぶたをはがしたような気分になり、「ヒノキよ、すまなかった……」と後悔することになるから、普段はその”皮はがしたい衝動”を押さえることにしている。
今日このヒノキの浮き上がり樹皮を見たときには、用事を一つ思い出した。昨日大田切の林で見つけたツノトンボ類幼虫のためのエサの確保。ヒノキの樹皮裏にはちょうど平べったくて小さなクモなんかがいるはずだ。そういうわけで禁をやぶってヒノキの皮を少しめくってみることにした。皮の裏では、お目当て通りの平べったいカニグモの類などクモ数種が見つかったが、それとともにカニムシがあらわれた。 カニムシ、これも気になりつつあまりおつきあいできてない相手で久しぶりの再会だ。それほど珍しい仲間ではないものの、体は小さく(今日のものでハサミいれないで体長4ミリ)落ち葉や土の中、樹皮の裏といったところが生活場所だから、その気にならねば出会うことはまずない。前回出会ったのは、たしか教員時代にまでさかのぼる。理科の授業で土壌動物を扱ったときに、生徒が見つけたのを見せてもらって以来。そのときはあまりじっくりとながめもせずに終わってしまったような気がする。 カニムシについても手持ちの資料はほとんどない。先日手に入れた「土の中の小さな生き物ハンドブック」(皆越ようせい、文一総合出版)には、ムネトゲツチカニムシ、アカツノカニムシ、ミツマタカギカニムシといった3種の土壌性カニムシが紹介されいていたが、件のカニムシとは一致しないようだった。土壌動物図鑑でもあればもう少し見当がつくのだろうが……。 こういう目立たないところに潜み、トビムシなど小さなものを捕食している……暮らしぶりについても、なさけないことにこの程度にしかイメージできないでいる。姿かたちはかなりいいのだけれどもねえ……。
by narwhal2
| 2006-01-24 18:45
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