2006年 04月 03日
![]() 清水くんが遊びにやってきた。彼はこちら出身の生きもの好きだが、今は筑波の大学に通っていて、帰省したついでに来てくれたというわけ。 カバンから出てきたのは、先日菅平の生物実習で越冬昆虫探ししたときの標本瓶詰め。セッケイカワゲラの仲間やらハエの仲間やらが細々と入っている。その中に大きめのトビムシ。雪上昆虫見ているときにしばしば目にするトビムシに似ている。 「トゲトビムシって言ってました」 全く同じかどうかわからんが、そのあたりの種類だろうと一つ教えてもらう。もともと彼は高校時代に骨格標本にとりくんでいて、その関係で遊びに来てくれたのだけれど、最近は虫の世界にもかなり興味をもっているらしい。それも僕が見ているようなどちらかというとマイナーな虫たちに関心があるようだ。しばらく話したあと、彼の「脈翅目の幼虫探したいです」というこれまた渋いリクエストにこたえるべく、大田切の林を少し歩くことに。 「ツノトンボの腹部の横に突起が出てるじゃないですか。あれ、昆虫の肢の起源と何か関係ないだろうか、なんて考えてます」 そんな会話をしつつフィールドへ。空は晴れ気温も高めだが、北よりの風がめっぽう強い。せっかく咲き始めたキブシの花にもわずかなミツバチが飛ばされそうになりながら来ているくらい。 お目当てのコマダラウスバカゲロウ幼虫はほどなくたくさん見つかる。彼が採集している間にこちらは倒木やら石やらをめくってまわる。どうもまだ越冬昆虫探索モードだ。 小さな倒木下からは体長1センチほどの小さなナメクジがあらわれる。ナメクジを気にしだしてからノハラナメクジにつぐ伊那谷で2種めのナメクジ。が、種類はあいかわらずわからない。 林内のくぼ地、日当たりのいいところに一株のシュンラン。花がすでに伸びてきている。訪花昆虫来てるの見たことないよねえ、などと話ながら根元をゴソゴソやっていたら、そこからコハナバチよりも少し大きめのハナバチがもぞもぞ出てきた。訪花していたわけではなさそうだが、気になる存在であった。 例のコブハサミムシ街道では、日当たりいいところの巣房ですでにふ化幼虫が分散間近といった進行具合。このハサミムシ、巣の温度条件によってかなり進行に開きが出るようだ。日陰のものなどは、まだ産卵もされず、ペアのオスが生き残っているところもみる。 春らしい昆虫には出会えぬままはずれのヤナギまで来たところで、思わず「オッ」と声が出てしまう。ヤナギ枝先にヤナギハムシのオレンジ色の姿を見つけたのだ。このくらいの大きさの甲虫が出ていると少し動揺する。何本かあるヤナギに一匹だけではあったが。それにしてもフライングぎりぎりのジャストタイミングで出てくるものだ。何せヤナギの新芽は今まさに数ミリ開いただけ。が、ヤナギハムシはその小さな新芽をすでにかじっている。そしてまもなく産卵、幼虫の成長も早い。これもスプリングエフェメラルといっていいかも。 →ヤナギハムシ
by narwhal2
| 2006-04-03 17:37
| コウチュウ目
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