2006年 05月 26日
午後、火山を少し歩く。ここのヤナギにチャミノガ幼虫がたくさん越冬していたので、今の様子をうかがおうと思ったのだ。幼虫たちは2センチほどの枝をミノにつけ、チャミノガっぽくなりつつあるところだった。 ついでに周辺を少し歩く。今日はどん曇りだがその分風が少なくて細かいものに眼がとまる。いくつか小さく楽しい出会いがあった。チャミノガを見ていたとなりのヤナギにはクロモンキリバエダシャクという胴体の真ん中あたりに大きな突起を備えた幼虫がいる。そのとなりのヤナギにはカギバの仲間かと思われる小さな幼虫が数匹ついている。クヌギ葉裏では初めて見るエゾヨツメの幼虫。いずれも不思議な形態の持ち主たち。初夏は幼虫の季節だなあと思う。 今日もっともナゾとして残ったのは帰り際にコナラ葉に見つけた奇妙な食痕(画像左)。葉の中身を食べ進むいわゆるリーフマイナーの食べ跡。葉縁からはじまり坑道は段々太くなって中程に進んでいる。奇妙だったのは、その終着点にまん丸の穴が開けられていることだった。透かしてみても幼虫の姿はない。羽化の跡なのだろうか。見るとそんな食痕がこの木の葉にたくさんついている。 丹念に見ていったところ、まだ幼虫のいるものがいくつか見つかった。ある段階にある幼虫入りの葉(画像右)を見て、ようやく丸穴の意味が想像ついた。その幼虫は終着点とおぼしき位置にいて、そこを中心に丸く切り込み線が入れられている。まだそれは半周と少しくらいだ。そして切り離された円周部分は表裏があわさって閉じられているように見える。 この切り込み線が一周し終えるとき、この幼虫入り葉片は、封をされた円盤と化し、住み慣れた葉を離れ、地上へと落下していく……そんなストーリーを想像している。 リーフマイナーなくらしをするものはいくつものグループにわたっている。ハモグリガをはじめとするガの仲間、ハモグリバエなんていうハエの仲間、チビタマムシなどの甲虫の仲間が僕の知っているところだが、他にもいるかもしれない。件の円盤形成リーフマイナーがどの仲間なのか今のところ検討つかず、透かしてみても幼虫の姿かたちはあまりよく見えず。円盤から成虫が羽化する可能性にかけてみるか……。
by narwhal2
| 2006-05-26 20:10
| その他の虫
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