2006年 10月 03日
雨がようやくあがる。さっそくフィールドをいそいそとまわる。 その中でもっとも心躍ったのは二つのゴキブリとの出会い。 秋の終わり、台城の林で林床につもった落ち葉をめくると、とりわけ日当たりのいいところではとくに、モリチャバネゴキブリの幼虫がいることはすでに知っていた。が、毎年ちゃんと見ようと思いつつもその気になるのは秋の終わりであり、幼虫越冬するこのゴキブリだから、いつも出会うのは幼虫ばかり。飼育下で羽化した成虫は見ていたが、野外ではまだ見たことがなかったのだ。 今日、台城に立ち寄ったので少したまりはじめた落ち葉を動かしてみると、いつものようにモリチャバネゴキブリの幼虫がワラワラと動くのが見えた。また連れ帰って飼育しようかと何匹かつかまえることにする。が、とにかくすばしっこくすぐに落ち葉の下に潜り込んでしまうのでなかなかむずかしい。ゲートボールのジイちゃんや子供連れのお母さんたちの視線を浴びつつ、ひたすら落ち葉をめくるはめに。しばらくそうやって幼虫を追っていたら成虫があらわれた。翅がすり切れているものの、はじめてなのでうれしい。数えきれないほどの幼虫をかきわけ、ようやく4匹の成虫を見つけることができた。成虫♀の中には卵鞘をお尻につけたものもいるし、幼虫も若齢から中齢(画像左)といった感じまで各ステージがそろっており、まだ活動期という感じだ。 さらに、アカマツの立ち枯れのわずかに残った樹皮をめくってみたら、オオゴキブリの幼虫まであらわれる。この林にいることはシカタ氏から聞いて知っていたのだが、自分の眼で見るのははじめてでこれまたうれしい。 これでオオ、ヤマト、モリチャバネには一通りお目にかかった。クロは家にはいないので埼玉から送ってもらって現在飼育中。伊那谷ゴキもうでの残り一種はチャバネゴキブリだが、結局これが最後に残ってしまっている。僕はまだ実地に(完全屋内性である)見たことがない。かつて知人の東京のトウフ屋さんから標本をいただいたことはあるのだけれど、そういった都市部の密閉性高くあたたかい環境にしかいないのである。ちなみに件のトウフ屋さんではその後、クロゴキが入ってきてチャバネがいなくなったという。実際にゴキブリを見たことのない人でもなぜかその名を知っていたりする有名なチャバネが残ってるのも何とも皮肉な話。チャバネゴキなら我が家にいるぜという方、いないかしら?
by narwhal2
| 2006-10-03 21:09
| ゴキブリ目
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