2006年 12月 01日
ここのところまたモズ観察に通っている。鳥は虫と違って近づかせてくれないし、手にとることもできないから生きものの中でもあまり眼中に入らない方なのだけれど、すぐれた虫ハンターであるという習性からかどうも気になるのだ。昨年来僕が抱いてる問題意識は、モズはどの虫を狩り、どの虫をはやにえにしてるんだろう、というもの。そんなことを考えながら、モズを探している。たまってきているモズの断片を書いておこう。
先日11/25のことだったが、珍しく至近距離で狩りをくり返すモズに出会った。以下、そのときのエモノの種類とそれをどうしたかの記録。 9:41 カキ畑でメスが狩りしてるのを見つける 9:53 ガ幼虫→? 10:02 ガ幼虫→はやにえにする 10:07 バッタの仲間(コバネイナゴ?)→はやにえにする 10:18 コバネイナゴ→はやにえにする 10:25 ガ幼虫→? 10:27 トンボの仲間(アキアカネ?)→食べる 10:31 ガ幼虫→はやにえ 10:36 ガ幼虫→食べる 10:45 ガ幼虫→食べる 10:46 種類不明→食べる 10:58 コバネイナゴ→はやにえ 11:04 ガ幼虫→? 11:06 ガ幼虫→はやにえにしようと数度試みるが、その後食べる 11:10 バッタの仲間(コバネイナゴ?)→? 11:12 ガ幼虫→はやにえ 11:13 トンボの仲間(アキアカネ?)→食べる いかんせん、断片のカケラくらいの観察ではあるが、それでもあらたに気になる点がいくつも浮かんでくる内容であった。 このときのエモノのメニューはかなり限られていて、コバネイナゴ中心のバッタ、ガ幼虫(ヨトウガらしきイモムシ系が多かった)、トンボくらい。狩りの環境にもよるのだろうけれど。 コバネイナゴと思われるバッタが多いというのも興味深い。やはり大きめで目立ち、動きもそれほど素早くないという習性からだろうか。人がイナゴ捕りにおいて、コバネイナゴをメインに捕まえる理由と共通するものがあるんじゃないか、などと想像する。 さらに、はやにえは思ったよりも頻繁にたてているということ。普段はやにえを探していてこれほど見つけられないわけなのだけれど、実際にこのメスは1.5時間くらいの間にバッタの仲間3、ガ幼虫3のはやにえをたてた。 モズのメニューを考える上で思い出されるのは、以前こちらで紹介した文献のこと。はやにえになってる虫はバッタ、コオロギ、ガ幼虫などが中心だが、実際に食べたカスであるペリットに含まれる虫はゴミムシなんかが多い、ということだった。 しかし、この日見ている限りでは、種類によって食べるかはやにえにするかがそれほど違っているようには見えず。それが出たのはトンボくらい。トンボは2回捕まえ、2回とも食べている。モズはトンボ好きなんだろうか。 まあ、こんなことをツラツラと考えつつモズ探しの日がつづいているが、相変わらず断片ばかりがたまっていっている。今日のモズ観察では、畑にいつくあるメスを見ていたのだけど、このメスはあまり近寄らせてくれず、観察的にも写真的にも今ひとつ。作製現場を確認できた唯一のはやにえはショウリョウバッタ、であった。 →はやにえのメニュー(その6)
by narwhal2
| 2006-12-01 17:34
| 鳥類
|
ファン申請 |
||