2007年 01月 12日
久しぶりに、数日ぶりだがそれでも久しぶりの気分だ、フィールドへと出かける。ここしばらくというもの、室内でひたすらパソコンとにらめっこ。デジタルになってからというものそういう時間が圧倒的に増えた。まあしかたがないのだけれど……。
向かったのは大田切の林。コブハサミムシをもう少し撮影しておく必要が生じたのでモデル探しというわけだ。ところが到着してやや当てがはずれる。先日の雪がまだちっとも融けていない。林床はまだビッシリと雪に覆われている。何とか日当たりのいいガケでいくつか石をめくり、無事にコブハサミムシたちにお目にかかる。まだ産卵モードに入ったメスは見ない。ほとんどがオスメスのペアとして石裏に部屋をつくって潜り込んでいた。 ついでに少し越冬昆虫も探そうと思っていたけれど、雪のため思うように行かず。越冬昆虫探しの基本である落ち葉めくりはしばらくできそうもない。朽ち木もほぼ雪をかぶってしまっている。そうなると幹から上を探索するしかない。2匹目のホソミオツネントンボを見つけようと歩き回るがこれも空振り。今年はホント見つからないなあ。 カエデの枝に落ち残りの枯れ葉がチラホラ。そういえばここの林ではまだミスジチョウ越冬幼虫は見つけてなかったと思い出す。ミスジチョウは冬前に葉が落ちないように糸で補強し、その葉上で一冬を過ごす。落ち残ったカエデの葉は要チェックなのである。とりあえず枝をゆすってみる。たいていはそれで落ちてしまう。が、何本かめのカエデで落ちない葉があらわれる。そっと手元に引き寄せ(いきなり指でつまんだりしてはいかんのだ)、カールした葉の内側をのぞけば、はたして枯れ葉とほぼ同系色、似た質感を身にまとったミスジチョウ幼虫があらわれた。 僕はやはりこういう凝った細工仕事をする生きものに目がない。しかもどうして地面の落ち葉に潜ってしまわず、わざわざこんな手のこんだことをやってまで不安定な空中に越冬場所を求めたのか??と首をかしげたくなるところがまたグッとくる。そういうわけで、他にめぼしい出会いもなかったが、この幼虫との出会いでちゃんと幸せ気分を味わって帰途についた。 →ミスジチョウ越冬幼虫
by narwhal2
| 2007-01-12 20:43
| チョウ目
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