2007年 02月 08日
ここ数日はまたほぼ部屋にこもりっきりであった。
ある写真の問い合わせに答えるべく、手持ち画像ファイル探索にみっちり数日間を費やした。いいかげんライブラリといえる状態にしていかないといけないなと思うのだけれど。くわえてシーズンオフには普通のアルバイトに出たりもするのだけれど、たまたま先週から一つその予定が入っているのに重なった。フィールドにはまったく出ず、写真を撮らぬ日もあり。まったくこれじゃあ"自然観察な日々"の看板がはずかしいありさま……。 ようやく小さな一区切りがついたので、午前中はバイトに使ってから、午後は久々(といっても数日のブランクだが、それでも久しぶりな感じ)に火山に向かった。 今回の写真問い合わせの中にはアリヅカコオロギが入っていて(マニアックだ)、このアリの巣の居候コオロギには何度もお目見えしているのに、実際にあさってみるとあまりいい画像がなくてガッカリし、そんな気分のうちに探しにいこうとなったのだった。 実は先日ミツマタカギカニムシを見つけた倒木にトビイロケアリコロニーが巣くっているのを確認しており、アリヅカコオロギの姿も見ていた。件の倒木(画像上)は谷上部の休耕田にコロンと置かれた玉切りの朽ち木である。開けていて日当たりよく、木の下面が少し地面に埋まるように密着している。トビイロケアリはこういう感じが好きなようだ。 倒木を引き起こし、右往左往するトビイロケアリたちをジッとながめることしばし、アリヅカコオロギが何とか見つかる。ただアリコロニーの規模のわりにはアリヅカコオロギの姿は乏しく、ハッキリわかったのはわずか2匹。どちらもまだ幼虫なのか体は小さくて色が薄い。連れ帰り撮影していて気がついたが、一匹のお尻には産卵管のような突起が、もう一匹にはそれがなく、つまりはこれがオスメスなのだろう。 この巣では他にもちょっと気になることがあった。 一つはまったく種類の異なるアリがこの倒木にいたということ。起こした際に混じってしまっただけなのかもしれないが、トビイロケアリ集団のただ中に飴色の細長いアリ(画像3番目)が一匹だけ入っていた。画像だけから判断するのはむずかしいが、トゲズネハリアリという種類に似ているようなアリである。いずれにせよ気になったというのは、要するにこのアリがトビイロケアリから攻撃されてないということだった。何か化学擬態でもしているのかしらんと想像する。 もう一つは画像を見て気がついたことだが、一匹のトビイロケアリの脚に何やら寄生生物らしきものがくっついているように見えたこと(画像下、部分拡大している)。何だか厚みのある円盤形のしろものだが、一体何者だろう。アリの体にたいしてけっこうでかい。 それにしても小さな玉切りした朽ち木がコロンと休耕田においてあるだけで、かっこいいカニムシはいつき、トビイロケアリは住み着き、それにかかわる虫たちがからみあっていくという様をこうして見ると、まったくもってどんなところだって見るに値するのだなあ、と思った次第。 →アリヅカコオロギ(その3)
by narwhal2
| 2007-02-08 20:14
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