2005年 02月 04日
気がつくと早いもので日々の観察記をブログに移行して1ヶ月が過ぎている。タイトルを並べてみればこれはもう実に地味で渋々な観察。おまけに最近は美しい画像とはほど遠いものばかりがつづいている。日々それなりの数の方が訪れて下さっているのだから少しは考えないとなあと思いつつ、それでもここのところの視線はそっち方向なのは変えようもなく、今日も細かい話になるがよろしければおつきあい願いたい。
さて、モズのターゲットになりそうな田園地帯の昆虫を探しておこうと今日も2カ所ほど回った。いくつかあらたな種類がリストに加わったが、残念ながらこれまでペリット中に確認できたものと符合するものは見つからなかった。 ただその過程で、田んぼわきの石下から見つかったある幼虫が気になった。大きさ1.5センチほどで薄っぺらい8の字型の物体。材質は植物質。 してその正体は、マダラマルハヒロズコガというヒロズコガ科のガの幼虫が、ミノムシ的生活を営んでいるケース巣で、よく見つかるのは樹皮の裏側や倒木の下……などといえるようになったのもつい最近のこと。この手の植物質のポータブルケースをつくるガの幼虫は何種類もいる。とくにヒゲナガガの仲間に多い。林の落ち葉を丹念にひっくり返しているとそれなりに見つかる。昨年一時期よりこの仲間の幼虫にはまったのだけれど、飼育していた幼虫たちが羽化し図鑑と照合することで、ようやくどのケースがどのガのものかがいくつかわかってきた、そういう僕の中では発展途上の虫たちだ。 さてこのマダラマルハヒロズコガ、気になっていることがいくつかある。そのうちの一つ。何を食べているのか。図鑑には、樹皮や朽ち木を食べるとなっているのだけれど、うわさではアリを捕食しているのではないかともいわれている。たしかにこの幼虫いるところはアリの巣や通り道になっていることが多い。ただ樹皮の裏だと樹皮を食べているのかアリを食べているのかはわかりにくい。 今日この幼虫が気になった理由の一つは、石の下という植物質の少ない場所からけっこう見つかったからだ。そんなところにいたということでアリ食している疑いがさらに強まった。ただし飼育しているとアリなど与えなくてもちゃんと羽化するからややこしい。 もう一つ気になったのは、あきらかに大小二つのサイズのケースが見られたこと。大きいのが1.5センチほどに対して、小さいのは7,8ミリと半分のサイズ。この二つが同じ種類だとすると、これは個体差とは考えにくい差ではないか。想像たくましくすると、このガの成長が一年以上かかっているからなのかとかんぐってしまうのだが、どんなもんだろう。これもしばらく飼育してみようと思っている。
by narwhal2
| 2005-02-04 22:30
| チョウ目
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