2007年 03月 06日
久しぶりに畑に出る。
出るといっても我が家のある集合住宅すぐ裏だ。そこにあるOさんの畑の一角をお借りしている。家庭菜園ともいえぬほどいいかげんなかかわりしかしていないが、ちょっとした野菜を食卓に加えるくらいの生産場にはなっている。 小さな畑をお借りしている効用はもう一つあって、それはコンポストを設置できること。台所から出て来た野菜くずをせっせと持って来ては入れている。こちらも容量が小さいので堆肥の出来としてはあまりよろしくないのだけれど、これを始めてから燃えるゴミのゴミ袋が生ゴミですぐいっぱいになるということがなくなった。何よりも有機物が土に還っていくようにできるのだから精神的によろしい。 今日畑に出たのも野菜つくりのためではなくて、コンポストに用事があったから。暖かくなって来たとはいえ、うちのあたりじゃまだ畑始める時期ではない。コンポストの生ゴミに来てるはずのヒゲジロハサミムシの撮影をしておこうと思ったのだった。今年はハサミムシたちを見ていきたいなと考えていて、例のコブハサミムシ以外はなんだかんだいってまだちゃんとおつきあいできておらず、その手始めにヒゲジロハサミムシから、というわけ。 このヒゲジロハサミムシは雑木林なんかよりもこういった庭や畑で見かけるハサミムシだ。ハマベハサミムシのように大人になっても無翅タイプで、触角の先端近くの二節が白いのがトレードマークになっている。もっとも人の生活圏に近いハサミムシといっていいんじゃなかろうか。あ、でも暖かい地方や海岸近くだと、同じ環境でもハマベハサミになってるのかもしれない。逆にこの地方ではハマベハサミにお目にかかれないのだけれど。 さて、畑のコンポストを引き抜き、まだ生っぽい部分の多い中身をかき回すと、ほどなくヒゲジロハサミムシが一匹また一匹と姿を見せた。モデルはすぐに確保できた。うん、コンポストやっててよかった。 一つ気になったこと。ヒゲジロハサミムシを見かけるたびにフィルムケースに入れ、それが6匹になったところで気がついたのだが、6匹すべてがメスであった。偶然という可能性もあるなとは思ったのでさらに生ゴミをかき回し、あと数匹のヒゲジロハサミムシが出て来たが、これらもやはりすべてメスだった。今日はオスは見ないままに終わる。オスはどこにいるんだろう。この偏りが何を意味するのかは?だ。 コンポストかき回し作業には、もう一つうれしいおまけがあった。生ゴミをかき回していると「バタバタ」という羽音が聞こえ、「ん?」とふりむけば、モズ。すぐ近くのウメの枝、数メートルのところにとまっている。こんなに近くで見るのは初めてだったのでじっくり見物。やっぱりモズはかっこいいなあとしばし見とれる。さらに少し近寄ったりしたが、それでも逃げない。あろうことかそこから飛び立ってコンポストの生ゴミに降り立ち、目の前で2匹ほど虫をつまむ。まだまだ虫食いには厳しい季節なのね……と思う。 外に出て、かっこいい生きものに会って、写真撮れれば、それでとりあえず幸せな気分になれるんだから、うん、単純だ。
by narwhal2
| 2007-03-06 19:58
| ハサミムシ目
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