2007年 03月 08日
これらのブツは、小澤のクリ林の落ち葉めくりにて出現したヒゲナガガ類幼虫のポータブルケースたちである。この中のもっとも大きなもの(左上)で長さ11mmだから、小さいことは小さいが意識して見ていれば十分気がつく大きさではある。何でもない植物片でないことは、このケースを置き、根気よく待っていると(個体や状況によって待つ時間はまちまちだが)、中におさまっている幼虫が姿を見せてくれる(画像左)。 よく似たケースにマダラマルハヒロズコガというヒロズコガの幼虫ケースがある。マダラマルハ(長ったらしいので以下略)くんは、倒木の下とか、朽ち木の樹皮下などで見つかることが多く、話によれば彼らはトビイロケアリなどのアリを補食することもあるくらいで、とにかくそういうところで見つかる。対して、ヒゲナガガ類の幼虫はそれよりもやはり落ち葉層の中にいることが多い(少なくともこれらの種類は)。 一時、ヒゲナガガ類の幼虫に夢中になったことがあった。長くなるからよろしければ以前の記事をたどっていただきたいが、この幼虫たちがなかなかいかしたケースをつくるということと、不思議な移動方法を見せることがあるということが引きつけられた主な理由であった。 最近またこのヒゲナガガたちに目を向けてみようという気になっている。ヒゲナガガの生態については成虫、幼虫ともわかってないことが多く(通した生活史がわかってるのはほんの何種類かだ)、上に上げたケースとて種名の確実なものが少ない。上段の3つにかぎっては粒子の細かい植物片が材料になっている点で特異的で、これはホソフタオビヒゲナガとすぐにわかる。それ以外のヒゲナガガ幼虫は、丸および三日月型に切り抜いた落ち葉片を何枚かつづって寝袋型ケースをつくる。よってどれも似ている。これまでの観察を信じるならば、左下の3つはホソオビヒゲナガの、右下の3つはウスベニヒゲナガのものということになるのだけれど、このあたりからたしかめていこうと思っている。こういうのは地道に一つずつ探してはたしかめていく以外に方法はない。 そういうわけで、ときおり雪が舞う低気温な中、クリ林にしゃがみこんで落ち葉めくっておりました……。 →マエマワリとマメザヤモドキ(その7)
by narwhal2
| 2007-03-08 21:06
| チョウ目
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