2005年 02月 08日
正直言って今日の話は出すべきか迷っている。その正体も含め、わからないことだらけだからだ。だがそれをいえばいつもそう。大胆に書いてしまおう。
その物体に気がついたのは数日前。いや実をいうと二年前から気がついてはいた。ただ昨年までの二シーズンは本体のコブハサミムシの習性の方に強くひかれていて十分な注意を向けられずに来ていた。それが数日前に再会していよいよ気になった。 それはコブハサミムシの飼育容器にこつ然とあらわれる。昨年までよく見かけた記憶があるのはアズキ色(画像はなし)のものだが、数日前のは濃オレンジ色だったのでよく目立ったのだ。アズキ色の方は直径2ミリ長さ4ミリ、オレンジ色の方は、直径2ミリ長さ4.8ミリのどちらも円筒形。憶測と期待を大いに含ませていうと、これはコブハサミムシに対する寄生者ではないかと思っている。 理由その一。コブハサミムシを飼育していてしばしば起こることなのだが、シーズンが終了しても産卵しないまま終わるメスがいる。これまでは、飼育下ということもあって何か条件が整わないのか、それまでの成長過程で何か不都合でもあったのかと考えていた。今年半数くらいのメスは産卵したが、残りは産卵していないまま。そしてその未産卵のメスの入った飼育ケースにだけ件の円筒形のブツが出現したのだ。といっても今のところアズキ色のが一つ、オレンジ色のが一つだが。まあそういう状況証拠から、産卵しないメスというのは、何者かに寄生されていたために産卵できない状態にあって、その内部寄生していたものが蛹となってあらわれたのが、件のブツではないかと考えてみたのだ。 もう一つの理由はその形態にある。アズキ色の方にはないが、オレンジ色の方を拡大してみると、前(?)に小さな二つの黒点、後(?)には二つの黒い突起が備わっている。この姿は、昨年ハヤシクロヤマアリの巣から見い出したキンアリスアブの蛹を思い起こさせる。その蛹も同じような突起を備えた特異な形をしていたのだ。そこからまたさらに大胆に推理すれば、この寄生者とはハエの仲間なのではないかというわけだ。 ここまで書いてきて、えらく穴だらけの推理だなあと我ながら思う。ハサミムシの体つきから比較しても大きなサイズで、肝心のハサミムシから出てくる現場も見ておらず、ケース底にしいてある砂からあらわれたという可能性もまあなくはない。 ただ、ハサミムシに対する寄生昆虫がいてもおかしくはないし、それがいるとすればその暮らしぶりは相当興味深い。そのなりゆきを見守りたい。
by narwhal2
| 2005-02-08 21:26
| ハエ目
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