2007年 07月 11日
梅雨も終盤に入ったのか、しっかりとした雨がつづく。風もややあり。
部屋のパソコンの前での作業にもいいかげん飽きてきたということもあって、ハエ男ことフルタ氏宅をたずねることにする。先日のイワツバメシラミバエを見てもらおうというつもり。 飯田に移住したフルタ氏は、もと食堂だったという家を借りていて、そのスペースがまるまる文献書庫、作業場、標本置き場として展開しているという、ちょっとうらやましい環境になっていた。 さっそく標本を見てもらう。ポイントはただ一つ。例のおんぶ状態になっていたペアの片割れはオスなのかどうか、だ。 実体顕微鏡をちょっとの間のぞいていたフルタ氏、一言。 「あ、オス」 「え?そんなすぐにわかるの?」 「だって、出てるもの」 見せてもらうと、たしかにとんがった鞘のような突起が出ている。オス交尾器の一部である。残りのシラミバエにはそういうものはない。こうして、下記リンクの画像は、おそらく本邦初のイワツバメシラミバエオス&交尾シーンであることがたしかめられたのであった。 「オスはもうちょっとお腹が細いとかって思ってたけどなあ」 オスとわかった個体も、外形的にはメスとたいしてちがっていない。これとて、メスにしがみついていなければ、調べてみようという風に思わなかっただろう。このオスがどういうくらしになってるのかというのはさらに気になるところ。 「飛べなさそうだけど、どのくらい飛べないのかっていうのもたしかめてみたいね」 ついでにハエの話題をいくつか聞く。 「最近ハエではどんなことが熱くなってるの?」 「うーん、オドリバエかなあ。これまでオドリバエは手も足も出ないグループだったんだけど、最近、大御所の先生が絵検索をつくったことで、調べられるようになった」 見せてもらったある文献を見れば、オドリバエ科は100属(!)3000種あるということになっている。ハエ屋でも手も足も出ないグループがまだたくさんありそう。何せハエ目には科が118もあるのだ。 「コウモリバエも見に行きたいやね」 なんて話もする。ハエ世界はただの虫好きの僕には広すぎるグループではある。でも、シラミバエとか、ようやくわずかにとっかかりができつつある、というところかな。 (今日は画像はついてないのです。過去記事の画像でも見てやってください) →シラミバエ(その3)
by narwhal2
| 2007-07-11 22:21
| ハエ目
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