2007年 08月 16日
夏に羽化、繁殖期になるという虫は多い。ミノガの1種チャミノガもまたそうだ。 ミノムシファンの僕としては、オフシーズンにミノをかき集めるだけじゃなくて、せめてこの最もポピュラーなチャミノガでその暮らしぶりを知っておきたいと思い、今シーズンはそれなりにつきあうつもりだったのだが、空振りの連続。まともな観察ができていない。羽化も逃し、交尾も逃してしまった。おまけに宮城まで出かけている間にふ化も逃した。情けない……。今シーズンはどうもそういうことが多い。 そういうわけで今ケースには、チャミノガの1齢幼虫がワラワラしている。 せめてそのミノの作り始めくらいは見よう、とつきあうことにする。 裸の1齢幼虫は体長1mmくらいと小さな体をしている。お腹から後ろを背中側にそらせるエビぞり姿勢が常だ。胴体をミノにおさめておいて移動するのだからこういう姿勢がいいのだろう。そういえば、ミノガの幼虫はずっとミノに入って暮らしているわけで、幼虫の姿そのものを見ることができるのは、このふ化直後の時期しかないわけだ。 幼虫は植物の茎や葉を歩き回り、気に入った部分にいきあたると小さな破片をかじりとる。それとの順序はよくわからないのだが、胴体の周りには糸がぐるりと何重かに巻かれる。かじりとった植物片は、このリング状の糸に張り付けられる。移動する。かじりとって張り付ける。一カ所にとどまるよりも、チョコチョコと移動しながらこれが繰り返される。そのうちに植物片が胴体を一周するように張り付く。「ゴミだらけのフラフープをはめたイモムシ」となる。 ここで休んだりはせず、さらに植物片が糸によってくっつけられていく。植物片の輪は体に接着されているわけではなく、体が中に通っているだけという状態だ。植物片は輪の頭部に近い方にくっつけられ、輪は次第にお尻の方へとシフトしていく。やがてまだスカスカだが、体がかくれるくらいの長さの筒ケースができあがる。 しばらくしたころの幼虫を見ると、長さ2mmくらいの先細りのケースになっている。このあたりが1齢幼虫としてはとりあえずの完成型だろうか。 ちなみに葉の裏なんかをかじっているが、最初の頃はどうも食べている感じない。とりあえず体がかくれるくらいまでは食欲よりもポータブルハウス建築を優先させているように思われる。生まれたらまずは隠れよ、ということのようだ。 →チャミノガ幼虫 →ミノムシ事始め(その2)
by narwhal2
| 2007-08-16 14:40
| チョウ目
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