生きもの写真家安田守の自然観察な日々(2005年1月-2007年9月)
2007-10-04T18:17:14+09:00
narwhal2
信州伊那谷から発信する近しい自然の日常的観察記
Excite Blog
2005年1月-2007年9月 目次
http://ikkaku2.exblog.jp/7103977/
2007-10-03T08:59:00+09:00
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2007-10-03T08:59:18+09:00
narwhal2
お知らせ
2006年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2007年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
*それぞれの月毎の目次リンクになっています
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移転しました
http://ikkaku2.exblog.jp/7093126/
2007-10-01T21:37:00+09:00
2007-10-02T08:48:16+09:00
2007-10-01T21:37:52+09:00
narwhal2
お知らせ
なお、このIDのブログは2005年1月〜2007年9月までの観察記としてそのまま残しておきますので、もしも過去記事をたどりたいなんていうときがありましたらご利用ください。
新・「イッカク通信発行所>自然観察な日々」へ
10/2 ↑URLまちがっていたのを訂正。リンクがまちがってちゃ誰もたどりつけないやね。ごめんなさいでした。]]>
蛹2種
http://ikkaku2.exblog.jp/7084503/
2007-09-30T19:24:06+09:00
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narwhal2
チョウ目
シトシトと雨が降っている。いきなり気温も低くなった。今月は全体としては雨が少なかったように思うのだけれど、たしか9月は一年で最も降水量の多い月なんじゃなかったっけ?それにしてももう9月も終わり。早いねえ……ってこんなことばっかり。
さて、そんなわけでフィールドにも出ることなく、いくつかのことがらについて頭をひねり、しばし悩み、しばらくうなっていたがらちがあかないので、散歩に出、いくつか立ち寄って帰り着けば夕方。で、飼育だなで蛹化したチョウの蛹2種を撮っておく。
一つはアサマイチモンジ。背中あたりに金属光沢のパーツが走る蛹。もう一つはスミナガシ。枯れ葉擬態がお見事な姿。この越冬蛹を野外で見つけるのがこの冬のカダイ。
二つともこのまま越冬モード、だろう。そういう姿を見ると、シーズン終わりのメンツがつぎつぎに出てくるわけね、とあせってくる。
【予告】
このブログはエキサイトというところのものを使わせていただいているのだけれど、とうとう容量がいっぱいになってしまった。表示はできるだけ軽くという意味もあって画像もほどほどの大きさに押さえてきたのだけれど、それでもいっぱい。で、このURLのブログは今日の記事までそのまま残しておいて、明日から(新記事があれば)同じエキサイトの別IDに移ることを予定しています。作業が間に合えばですが……。移転したら、ここに新URLなど、表示します。ご面倒ですが、マークしなおしてやってください。
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アサマイチモンジ1齢幼虫(その3)
http://ikkaku2.exblog.jp/7069810/
2007-09-28T17:53:25+09:00
2007-09-28T17:53:26+09:00
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narwhal2
チョウ目
少し前から、この幼虫のふ化シーンを撮っておこうと試みていたのだけれど、他のことをしながらの片手間だったものだから空振りつづき。そろそろ決めておかねばと、昨日あらためて卵をいくつか見つけてきて、今朝ようやくなんとかなる。それでもチョウの卵は中の様子が透けて見えるのでまだわかりやすい。これがたとえばナナフシなどは中の様子もわからず、いきなりフタがパカッと開くものだから、いまだちゃんと最初からおつきあいできていない。
ふ化した1齢幼虫は葉の先端(必ずしも先端ばかりではないのだが)に移動し、少し前に紹介したような食痕をつくりはじめた。
ふ化したてホヤホヤの1齢幼虫(上画像の真ん中、昨日ふ化後に撮影)と、ふ化後数日たった幼虫(上画像の右)画像を同倍率で並べてみる。頭部の大きさは同じであるにもかかわらず、胴部がえらく大きくなっていることにちょっとびっくりする。いや、正確に言うと、後者が1齢かどうか確信がないのだが、頭部の大きさが変わってないことからいってまだ1齢だろうというハナシなのだが……。
ついでに終齢幼虫の画像も同倍率で並べてみた(上画像の左)。大きさの差もはなはだしいが、この容姿の変わり具合もえらいこっちゃ、だ。ウスタビガの幼虫を齢ごとに見たときもそう思ったけれど、イモムシ・毛虫の、この出世魚的な成長変化にけっこうひかれつつある。
→アサマイチモンジ1齢幼虫(その2)
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コガネ、ナガコガネ
http://ikkaku2.exblog.jp/7056101/
2007-09-26T20:43:08+09:00
2007-09-26T20:39:55+09:00
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narwhal2
その他の虫
昨年、クモ屋さんに教えてもらったところでは、クモには夏に成体となるものが多いのだという。なぜかクモは秋というイメージがあって、秋になってからクモを見はじめたのだけれど、そのとき採集した標本は「あれも、これも幼体です」という返事であった。
思うに、秋に大型のクモが目立つようになるということが、クモは秋という先入観につながってるのではないかという気がする。ジョロウグモはその代表だろう。卵で越冬、春にふ化をするというサイクルだから、秋の終わりまでに産卵すればいいわけで、今頃からが最盛期となる。このクモは環境によってかなり優先することもあって、いまどきにはえらく目立つ。
ジョロウグモほどではないが、この時期田んぼ周りでは、大型コガネグモの仲間が目につく。火山の田んぼまわりで、もっとも多いのがナガコガネグモ(右上)、それより少ないのがコガネグモ(左下)だ。大型で、黄色と焦げ茶色のシマシマという点はそっくりだが、いちど見比べればほどなくちがいがわかるようになる。ちなみに林に行くと、またちがうコガタコガネグモなんかがいたりすれけれど。
で、コガネグモウォッチングしながら田んぼまわりを歩いていると同時に目につくのが卵のう。ここでは二つのタイプがあって、一つはトックリのようなツボ型(左上)、もう一つは薄っぺらい多角形(右下)。あらためてたしかめてみると、ツボがナガコガネグモ、多角形がコガネグモのものだった。
近そうな仲間のわりに卵のうの形は違うなあと思い、その関連を調べていて、さらにへえーと思ったのは、活動サイクルの微妙な違い。
コガネグモの卵は秋のうちにふ化、卵のう内で一度脱皮したあと幼体が出てきて、分散(糸で飛ばされるバルーニングをする)し、それぞれ落ち着き先にて越冬。一方、ナガコガネグモの方は、卵のうの中に入ったままで越冬し、翌年になってから分散するのだという。
そういえば、今日見たコガネグモ卵のうの中には、幼体がその近くに出てきて、いわゆる"まどい"の状態になっているものもいくつか見ている。で、ナガコガネの卵のうも気になったので、一つ中をのぞいてみたら、ちゃんとふ化していて、チッコイ幼体がミッチリ入っていたっけ。産卵の時期もその後の流れも同じなのに、その後の分散の時期がえらく異なるのはどういうところにつながっているのだろうか。
クモももう少しいろんな顔となじみになってくるとおもしろそうなのだが、なかなか手が回っていかず、結局いつも他の虫が一区切りする秋になってからになってしまう。
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センノカミキリ
http://ikkaku2.exblog.jp/7049060/
2007-09-25T21:50:05+09:00
2007-09-25T21:50:06+09:00
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narwhal2
コウチュウ目
カミキリムシとはあまりおつきあいしてこなかった。おめえ、そんなんばっかじゃねえか、という声が聞こえてきそうだが、まあそうなのです。昆虫の中ではかなり人気のあるグループだと思うのだが、どうもこれまで強くひかれてはこなかった。これがたとえばオトシブミ観察に入り浸っているとしばしば羽脱に遭遇するシロスジカミキリなんてことになると、クリ林との関係だったり、はたまたウマノオバチとの関係だったりがあるから興味がわくのだけれど、それ以外となると……なのである。
話少しかわって、先に出版した『昆虫コレクション』だが、これがよくばっていろんな虫を登場させたものだから、名前をつけるのもかなり骨で、いくつか手に負えない分類群についてはその道の人に画像あるいはとりおいておいたものは標本を見てもらってアドバイスしていただいたのだが、すべてそうするわけにもいかず、残りは自分で調べた。
残念ながら、かつ申し訳ないことにそういう自分で見た中にいくつか同定間違いがあった。大変ありがたいことに、この本を見てそういう間違いを見つけ、教えてくださる方が何人もいらっしゃる。感謝だ。ただ、これらをさみだれ的にここに書くのもどうかと思われ、訂正する機会があれば何かはっきりした形にてまとめて行いたいと思っている。同定間違いの中にはカミキリムシについてのものが複数あった。やはりおつきあいの度合いが低い虫たちはより慎重にみるべきだったなあ、と反省しきり、だ。
さて、今日火山のタラノキで出会ったのはセンノカミキリ。正直にいえば、少し前に東伊那のタラノキで出会っており、そのときに調べたのでたまたま知っていたというくらいのつきあいしかないカミキリだ。しかし、オスの触角は、ヒゲナガカミキリほどではないが、それでも相当に長く、けっこうカッコイイ。
うん、僕の場合、えらく変な形だったり、へんてこなことをしたり、せめてカッコイイと思える、そういうポイントを見つけることがおつきあいのはじまりなのね、と思い至る。
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イッカクのマクタックの味
http://ikkaku2.exblog.jp/7032926/
2007-09-23T20:31:07+09:00
2007-09-23T20:31:07+09:00
2007-09-23T20:31:07+09:00
narwhal2
イッカク
ガイドは誰だろうなあと思って見ていると、僕がいつも世話になっているチャーリーだった。チャーリーや息子のリー、ネイムンもあいかわらず元気そうでホッとする。しばらく会ってないマイケルがでかくなっていたのでちょっとびっくりする。何度も見てきた風景、知人の姿を見て、少し北極圏に行った気分に浸る。
さて、番組の中で、レポーターの方がイッカクのマクタックを試食するというシーンがあった。
マクタックというのは、クジラの皮の部分のこと。イッカクの皮膚は、もっとも外側がプリプリした層、その内側に白くて固い層があり、そのまたさらに内側には分厚い脂肪の層がある。上の2層に少し脂肪の層を合わせ、1-2センチ厚ではぎ取ったのがイッカクのマクタックという食べ物。
真ん中の層は相当に固くて、レポーターは「アワビ」なんていう形容をしていたが、そんなものではない。柔らかいものばかりかじっている僕も含めた日本人では歯で噛み切れないほどの固さで、普通はその層に達するようにナイフで細かい碁盤の目のように切れ込みをあらかじめ入れておいてから食べる。これはイヌイットの若者も同様。ただ、小さい頃から食べ慣れているチャーリーたちオジさん以上の世代は、それなしで、いきなりゴリゴリ食べてしまうのだけれど……。生ではそれほどの固さがあるけれど、塩ゆでに少しすると、急速に柔らかくなって、ちょうどいい頃合いにはアワビくらいの食感になる。これに醤油をちょっとたらしていただくと……とてもうまいのです。ハイ。生でもおいしいけれど、固いからかむのに相当な労力がいる。ゆでれば固さと格闘しなくていいので、たくさん食べられる。
で、なぜマクタックについて細かく書いているかといえば、レポーターさんは試食しつつ、「アワビのようにコリコリ……ウッ、生ぐさい臭いが鼻に……」という具合で、いかにも不味くて苦しそうにしていたのが、とても気になったからだ。
イッカクのマクタックは、少なくとも僕が何度も食べさせてもらったマクタックは生臭くはなかった。それはほとんど無臭で、味だって相当あっさりしているので、イヌイットの中にも醤油(いまやポピュラーな調味料になっている)をつけて食べる人がいるくらいだ。
番組では、このイッカク、チャーリーがしとめたのではなく、近くに流されてきたのを引き上げたと言っていたので、多少鮮度が落ちていたのだと思うが、北極海に浮いていて、それほど腐敗することがないように思われる。
僕も最初から北極のすべての食べ物をすんなり受け付けたわけではなかった。ワモンアザラシやアゴヒゲアザラシの肉に臭み(のちには香りに感じるようになるのだが)を感じていたし、セイウチやホッキョクグマの肉の臭みにはまだ少し抵抗感がある。だが、イッカクマクタックについていえば、僕は最初からそれほど抵抗がなかった。刺身など、いろんな魚を生で食べ慣れている日本人の味覚にけっこう近い食べ物だと思っていたのだ。それがなぜ飲み込むのに苦労する(ように見えた)ような感じだったのか、そこのところがよくわからない。
見ていてビックリしたことの一つに取材日数の短さもあった。野生動物を探しに村を出るのだが、1日目にはホッキョクグマに会い、2日目にはイッカクが数頭やってきて、3日目にはもう村に帰ってくるのだ。
予定通りに進むことなどまず一つもないというのが、極地での旅というもの。そこを、いかにも必要な場面を少ない日数で撮りに来た、というスケジュールなのだから、これではその土地の自然や人の暮らしを体で感じ、なじませていくというようなことは難しかったのかなあ、とも思う。ましてや、頭にあるイメージを取り去って、初めて食べる食べ物の味をあじわう、ということも難しいのかもしれない。
ちょっと何がいいたいのか焦点がぼやけてきてしまったから、番組の感想はこのくらいにしておきたい。ある人がおいしいと思っても、それをおいしいと思わないということはもちろんある。
イッカクのマクタックを実際に味わったことのある日本人はそれほどいないでしょう。昨日のレポーターさんのコメントから「ああ、イッカクの皮って生臭くてあんまりおいしくないんだ」と思う人がいたと思うのだけれど、いえ、少なくとも僕はイッカクのマクタック、とてもおいしい食べ物だと思ってます、ということだけは書いておきたかったのです。
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ウドンゲの束
http://ikkaku2.exblog.jp/7018249/
2007-09-21T18:02:22+09:00
2007-09-21T18:02:22+09:00
2007-09-21T18:02:22+09:00
narwhal2
アミメカゲロウ目
大田切上流の公園へ。
川沿いの林を切り開いてつくられたわりと新しめのここの公園は、いくつかの虫のウォッチングポイントになっている。とりわけコナラ、ドングリ関係の虫の観察はここが多い。というのも、雑木林では木々は高く伸びていて、ドングリをはるか上に見上げるという風にしかできないわけだけれど、比較的新しい公園に植栽された木というのはその点目線に近いところに葉が茂っていて、ドングリがなればやはりそういう高さにできるので都合がいい。で、ここのコナラを見て回り、ハイイロチョッキリに姿をいくつか確認する。
ちょっと話はそれるが、ここのところ捜索しているナナフシモドキはいまだ見つからない。ではヤスマツトビナナフシはいかがとこちらもチェックすれば、コナラの葉上で一匹見つかった。実は昨日もここの公園には来ているのだけれど、そのときにも一匹見ている。やはりヤスマツトビナナフシはこの時期でもこういう状況で見つかる。ナナフシモドキはもう活動が終わってるんだろうか……。
さて、今日の画像はそうやってハイイロチョッキリ&ヤスマツトビナナフシ眼にて、コナラを丹念にチェックしていて見つけた卵。クサカゲロウの仲間のものだ。
卵自体は直径0.6mm長さ1.6mmという細長い回転楕円体の小さなものだが、それぞれが15mmほどの糸によって葉裏からぶら下げられている。クサカゲロウの卵はみな糸でぶらさげられているけれど、こんな風に束になっているものははじめてお目にかかった。かなり新しそうだったので周囲をサーチしたが成虫は見つからず。産卵場面、見てみたいなあ。
クサカゲロウの卵は「ウドンゲの華」なんていう名で呼ばれることもある。その名を応用すれば、さしずめウドンゲの束といったところの不思議卵塊であった。
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セスジスズメ幼虫
http://ikkaku2.exblog.jp/7004106/
2007-09-19T20:26:55+09:00
2007-09-19T20:26:55+09:00
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narwhal2
チョウ目
今日も午後からナナフシモドキを探索する。部奈の心当たりを見て回り、その後ふたたび台城のサクラをチェックしてまわったが、完全に空振り。うーん……。
ナナフシモドキはいわゆる普通種(あんまり好きな言い方じゃないけれど)。その普通にいる虫について少しはつきあってきたつもりだったが、それがいかに知ったつもりにすぎなかったのかを思い知らされる。その成虫に出会った記録をザッと見返してみても、羽化時期である夏の初め〜8月半ばくらいまではかなりある。秋の記録がさっぱりない。図鑑などによれば11月までとあるし、他のヤスマツトビナナフシなど晩秋に見たことがあるから、たぶんどこかにはいるはず。考えられるひとつは、この時期、アンタッチャブルな樹冠空間にいるなんてことだろうか。もっとたくさん歩いて、マメに見て、何らかの形ででも記録して蓄積していかなければいかんなあ、と痛感する。
手ぶらで帰るのも何なので、寄り道していく。
渡場の田んぼ地帯。その中の畑のサトイモを眺めていたら、葉裏に大きめのイモムシがいるのに気がついた。セスジスズメ幼虫。シックな茶色地に眼状紋が2列にズラリと並ぶイカしたイモムシだ。
黒目のあるいわゆる目玉模様状になっているのは前の2×2個。あとはオレンジの白目?になっている。この中齢幼虫はまたちがった感じで目玉模様が並んでいるので、そこから見たかったなあという気持ちもわくが、まあいいイモムシに出会ったのだからよしとする。
このセスジスズメだって、とくに珍しい種類というよりは普通種であろう。しかしこの幼虫にご対面したのは初めてのこと。近しい自然にいるものたちのことをもっともっと知っていきたい。
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スミナガシ幼虫(その2)
http://ikkaku2.exblog.jp/6995551/
2007-09-18T18:08:45+09:00
2007-09-18T18:08:45+09:00
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narwhal2
チョウ目
午後から外へ出て台城へ。天気はいいが……暑っつい……。盛夏のようだ。おまけに林の中は、繁殖シーズンたけなわのカがわんさか寄ってくる。そんなあまりうれしくない条件の中、シーズン終盤のナナフシモドキを探しておこうと思って木々をチェックしてまわったのだが、後肢が2本ともとれてぶらさがっているだけのひん死の一匹が見つかったのみ。明日、別の場所でもう一度探してみるしかないか……。
これだけではせっかく来たのに何なので、ついでにアワブキも見て回る。中脈を食べ残し、葉片のカーテンをぶら下げたスミナガシ独特の食痕(画像中)と幼虫がすぐに見つかった。別のアワブキからは閉じた巣に潜むアオバセセリ幼虫(画像下)も見つかった。どちらも凝った巣作りをするという点でお気に入りの幼虫で、だからアワブキは見かければまず足をとめてしまう木。
スミナガシ幼虫はけっこう見つかったが、ほとんどはすでに中齢あたりまで成長した幼虫。見たいなあと思っていたのは1齢幼虫。例のアサマイチモンジ1齢幼虫のフンタワーづくりを見たことから、タワーづくりがらみでスミナガシ幼虫も気になっているのだが、それをやるのは1齢なのだ。もう少し早いタイミングなのね、といまさら知る。
それでも丹念に見て回れば、まだ若齢(1齢かどうかは?)らしいチッコイ幼虫も見つかった。さっそく本体が仰向けに静止している食痕の先端部分(画像上)をウォッチングしてみる。単なる食べ残した中脈、と思いきや、この画像の大きさだと読み取りにくいかもしれないが、お尻付近から先が幼虫がこしらえたタワー部分のようだ。
『原色日本蝶類生態図鑑2』(保育社)を読み直してみてあらためて知ったのだが、スミナガシ1齢幼虫はこの「棒状の塔(伸長物)」を、かじりとって運んできた何十個もの微小葉片をつなぎあわせてつくるのだという。
アサマイチモンジ1齢幼虫は同じようなブツを自分のフンを積み重ねて築きあげる。スミナガシはそれがかじりとった葉片。うーん、何につながるのかよくわからないけれど、おもしろい。来シーズンはスミナガシがこれをつくるところを見てみたいなあ。
そしてやっぱりわからないのは、この中脈を延長することによってどういう効果がもたらされるのか、ということなのだが……。
→スミナガシ幼虫
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ハンミョウ蛹
http://ikkaku2.exblog.jp/6986947/
2007-09-17T16:58:00+09:00
2007-09-20T19:25:33+09:00
2007-09-17T16:58:22+09:00
narwhal2
コウチュウ目
さかのぼること6月の初めのこと。
火山の土のガケで、集団営巣しているハンミョウの仲間(まだ種類は不明)幼虫を釣り出し、連れ帰った。で、せっかくなのでこの幼虫を飼育することにした。湿った土で、が順当なところだろうが、一ひねりしてみる。使用したのは湿らせた園芸用スポンジ。さてどんなもんかと事前に浅い穴をあけ幼虫を入れたところ、これでも大丈夫だったらしく、深い縦穴を延長して掘削していった。スポンジはあらかじめ半分にカットしてあったので、それを開けば、おお、ちゃんと縦穴巣をつくってるじゃないの、と悦に入っていた。
だが、ここから先はとくに見所がない。エモノとして、ワラジムシなどを地表部に入れておくと、いつの間にかその姿が消え、しばらくすると地表部に残骸が放り出されている。ジッと見張ることもしなかったので、捕食の場面は見ることができず。しかも幼虫はどんどんトンネルを延長したいらしく、ケースの底に達したあとは横に向かい、さらに内側に戻る、といった具合に迷路のようになってしまった。姿はほとんど見られず。エサもめったにとらなくなってきて、かといって蛹化する気配もない。このあたりが僕のいかんところなのだが、見所がなくなってくると、関心を向ける頻度がえらく減ってきてしまう。
数週間前になって、こわごわとケースを開けてみた。幼虫は以前幼虫のままであった。エサはとっくにとらなくなっている。蛹化などにあたってはやはり土の方がよかろうと、湿らせた土セットに移した。スポンジシステムの欠点は、一度掘った穴をうめることができないということにある。
そして今日、その土ケースを開けてみれば、あらま、えらいこと、劣悪な飼育条件に耐え抜き、ハンミョウくん(の仲間ね)はちゃんと蛹化しているのであった。
この蛹(画像上、2点を合成)がかなりカッコイイ。大きな目、立派な大アゴと顔は成虫のもの。加えて、背部にはえらくトゲトゲが備わる。すでに複眼、大アゴの先、肢の先で黒化が始まっている。羽化するのはいつ?そして出てくるのは何ハンミョウ?
→ハンミョウ幼虫
9/20追記:その後、9/19にこの蛹は羽化。ナミハンミョウだったことが判明しました。]]>
ミナミカマバエ(その2)
http://ikkaku2.exblog.jp/6979878/
2007-09-16T18:05:17+09:00
2007-09-16T18:02:16+09:00
2007-09-16T18:02:16+09:00
narwhal2
ハエ目
東伊那の田んぼでは、早くも稲刈りするところが出てきた。もちろんまだこれは一番乗りのたぐいなのだが、それでもコンバインが入るところを見ると、まだまだ暑いけれど秋なのねえという気になる。天候は曇り、ときどき晴れ、ときどき雨という実に変わりやすいもの。湿度は高くて、日が差せば暑く、雨にぬれたシャツはなかなか乾かない。
田んぼの中にポツンとある、クレソン畑+そのとなりの空き田んぼの水たまりで、トンボたちの産卵をしばし見る。シオカラトンボ(画像中、ややトリミング)が多く、そこにコノシメトンボが混ざる。クレソン畑ではギンヤンマがクレソンに産卵していた。
この水辺でメスのトンボを捕らえて卵など少しいただいたりしていたが、その水際、泥の畦と浮草のあたりが気になった。こういう水際を好む小型のハエがわんさかいる。ここならいそう、と思って探せば、他の何種かのハエたちに混じって、案の定、ミナミカマバエがいた。体長5mmほどと小さいが、相変わらずカッコいいハエだ。
ただしこのハエ、田んぼの畦あたりからただ眺めていてもあまり面白いハエではない。小さいし、水面すれすれの泥や浮草にとまっているから普通上から見下ろすことになり、その角度だと特徴である前肢のカマや逆三角顔は拝めず、これはもうただの小さなハエじゃん、ということに終わってしまう。
では捕まえてじっくり見てみるかと、網を振ってもまず入らない。水面すれすれにいて、飛ぶときもそれほど上がらないで低く飛び網の下を出て行ってしまう。せいぜい網が泥だらけになるだけだ。何度かためしてうまくいったのは、そっと網を上から水面ギリギリまでかぶせ、網の枠あたり止まってくれるのを待ち、そこをやおら振り回して風圧で網の奥に追い込む、というあたりだった。
あるいは、カメラがあれば、長靴を履いて片足を水辺にそっとつっこみ、もう片方の足は膝つきになって、水没に注意しながらできるだけ低い角度で撮影し、あとで画面を拡大してゆっくり楽しむのがまあスマートな楽しみ方かもしれない。
そうこうしていると、目が慣れてきて、カマバエと他のハエも見分けがつくようになってくる。カマバエは別個体に出会ったときなど、カマ状前肢を伸ばし、広げるような独特なポーズをとってくれる。このカマおっぴろげ行動はなかなか見ていて興味深いのだけれど、求愛行動にあたるものなのか、オス同士のディスプレイなのか、個体間のあいさつのようなものなのか、気になるところだ。しばらく見ていれば、水辺にいるさらに小さいものを捕食する場面(画像下、エモノは何だろう?)なんかにもお目にかかることができる。
ちなみに、このカマ状の前肢を持つハエはミナミカマバエだけでなくて、カマキリバエなど数種がいるという。ここのは以前ハエ屋のフルタ氏に見てもらってミナミカマバエだと判明しているが、逆に他のカマバエたちも見てみたい。以前調べたところでは、北日本には違う種類がいたはず。そちら方面の方、どんなの出てますか……。
→ミナミカマバエ
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アサマイチモンジ1齢幼虫(その2)
http://ikkaku2.exblog.jp/6964853/
2007-09-14T16:04:40+09:00
2007-09-14T16:04:35+09:00
2007-09-14T16:04:35+09:00
narwhal2
チョウ目
昨日まで3日間泊まりがけで出かけていた。
飼育だなにはいくつか虫たちがいるので、こういうときには気をつかわなければならない。食草やらを確保してまわり、それらをたっぷりめに与えてから出かける。それでも外出中に大きな変化があるんじゃないか、と気が気でない。昨日帰ってきたのは夜中だったので、今朝からごきげんうかがいをしてまわる。
一番気になっていたアサマイチモンジの卵3ケのうち、うち2ケはとっくにふ化。独特の食痕もできあがってしまっていた。残り1もふ化には間に合わなかったが、まだ活動開始したところらしく、食痕もなし。今日はこれ幸いとこの幼虫につきあうことにした。
幼虫にはホームポジションというべき定位置があり、それは葉の先端の主脈上で、静止しているときはたいていそこに頭を先端に向けている。そしてそこから出かけ、葉の先端から少し戻ったところを片側から切り込みを入れるように食べかじっていく。少し食べてはホームポジションにもどって休む。その繰り返し。
その合間に、フンタワーつくりを行う(上画像)。葉先端の主脈延長上に、まず糸をはき(左上)、反対向いてフンをし(右上)、そのフンを先端にくっつけ(左下)、向きを変えはきだす糸でしっかりと固定する(右下)。7:50から10:57まで記録をとりながら観察してみたが、その間に8個のフンがそうやって継ぎ足された。
また、幼虫はフンをこの先端部だけでなく、ときには葉の別の場所にもつけ、自分の体にもつけた。同様に食べカスである小さな葉のかけらもあちこちにつけた。何だかいかにも強固な意志というものがそなわっていて、それにしたがって行われるものごと、という感じもするし、フンのばらまき具合などをみると、それにしてはちょっと気まぐれなのでは、という感じもするのだった。
これにばっかりかかわっているわけにもいかず、その後はチラチラと見る程度だったが、半日もすると、葉の切り込みは両側に大きく行われて、幼虫もジッとしている時間が長くなった(下画像)。このあたりでとりあえずの形ができたということだろうか。
食べ残しやフンをあちこちにばらまくのは、たしかにカモフラージュなんだろうなあという感じはする。しかし、前回同様、フンタワーの方は……はたしてここまでていねいに積み重ねたとして、それはどんな、そしていかほどの効果を産むのであろうか、というギモンがやはりポッカリと浮かびつづけるのであった。
→アサマイチモンジ1齢幼虫
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スペード、ハート……
http://ikkaku2.exblog.jp/6933945/
2007-09-10T20:35:36+09:00
2007-09-10T20:35:36+09:00
2007-09-10T20:35:36+09:00
narwhal2
チョウ目
飼育だなでクズの花を食べていたウラギンシジミ幼虫が蛹化した(画像上)。
ウラギンシジミの蛹は他のシジミチョウとはまたちがったコロンとした形をしているが、その背面にはとても目立つ白い紋がついている。その紋の形はしかと見るとトランプでいうところのスペードマークにそっくり。
蛹の、しかもど真ん中にこんなマークを入れることにどんな意味があるのか。しばし頭をひねったけれども、これがわからない。こじつけでも何でもと考えるのだけれど、さっぱり思いつかない。
スペードマークときて、すぐに思い出すのは、その対ともいうべきハートマーク。
こちらはおなじみエサキモンキツノカメムシを思いつく。そういえば数日前に大田切のヌルデ(この木にいるのは初めて見た)のあちこちで抱卵しているのを見かけ撮影したところだったな、と思い出し、画像を引っ張りだしてみる(画像下、いずれも周囲トリミング)。
さて、期せずしてスペードとハートが手に入った。こうなるとあと二つも見つけたくなる。パッと思いつかないものの、ダイヤの形はありそうに思える。問題はクラブかもしれない。
以前、アルファベットに見える模様をそろえたらおもしろそうなんてことを思いついたのだけれど、結局いくつかで挫折。しかもどこかの国にすでに完璧にそろえられている方がいるのを知って、さらにあきらめた、ということがあった。せめて、4つのマークくらいそろえてみたいのだが……。
ダイヤとクラブ、何か思いつきません?
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アサマイチモンジ1齢幼虫
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2007-09-09T17:04:45+09:00
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narwhal2
チョウ目
アサマイチモンジの1齢幼虫が気になってちょこちょこ探している。それはイチモンジチョウ1齢幼虫でもスミナガシ1齢幼虫でもいいのだが、家の近くでもっとも見つける可能性の高いのが、アサマイチモンジの幼虫だろうという目論み。
これらのチョウの幼虫は、葉の主脈やら、あちこちの葉を食べ残してカーテンのようにぶらさげる独特の食痕で知られている。そして食べ残した主脈の先端には、それを延長するようにフンをいくつかくっつけてある。
このうち後者のフンタワーの方が気になっている。ボロキレのようにくっついた葉片は隠蔽効果があるんだろうなあ、と思わせるものがある。では、フンをいくつかくっつけることも、やっぱり隠蔽工作になるんだろうか?どうもくっつける量も半端なように思えてしまう。
で、とりあえず、その工作を行うところを見てみたいと思ったのだけれど、なかなかそういう段階には行き当たらない。『原色日本蝶類生態図鑑2』(保育社)のイチモンジチョウの項によれば(アサマイチモンジ幼虫も同様とされる)、このフンタワー工作行動は1齢幼虫のはじめの方にしかないらしい。つまり、ふ化間もないころの1齢幼虫が見つかればいいのだが、まあそううまくはいかない。
幼虫自体はスイカズラの葉を気をつけてみているとよく見つかる。先日も、中平のスイカズラで1齢幼虫と思われるのを何匹か見つけた(画像上)が、いずれもフンタワーや葉片カーテンをつくり終えた段階だった。体にもフンがくっつけられているのはちょっとグッときたけれど……。
そんじゃ、卵を見つけてふ化するところから見るか、というわけで、持ち帰った二つの卵がなぜかうまくふ化せず。
今日、東伊那の段丘林わきのスイカズラで、アサマイチモンジメスがウロウロしているのに行き交ったのでしばし見守る。で、産卵したての卵(画像下、ややトリミング)が手に入った。前掲書によれば、卵期は6-8日とあって、ふ化は一週間後の予定。
→小さな枯れ葉の家
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